かーやん☆ブログ

稀代のボンクラDJ あるいは プラモデルおじさん

2013年05月

マーニー

ティッピ・ヘドレン、ショーン・コネリー主演のヒッチコック作品。

多少の無理はあるとはいえ、'64年の作品とは思えないぐらい良く出来ている。そのクオリティは 同じ'64年に作られた他の作品と比べてみれば 一目瞭然だ。

ヒッチコックの作品には今見ても「これ、どうやって撮ったんだろう?」と思わせるシーンが毎作品ごとにある。

『マーニー』だと、ティッピ・ヘドレンが狩猟中に愛馬で逃走するシーンでのフォローショットからの空撮による俯瞰のショットなどは、'64年に撮ったものだと思うと感心させられる。

しかし当時まさにヒッチコックの「『鳥』の籠」に入れられて醜悪な女を演じさせられたティッピ・ヘドレンは観ていてリアルに痛々しかった。

というのも、実は前作の『鳥』に主演したティッピ・ヘドレンは公私に渡りヒッチコックに非常に気に入られ、自分の作品に出なければ芸能界に居られなくしてやる的なセクハラ・パワハラをガンガンに受けて、その後の役者人生に支障をきたした。

そして人間不信気味になった彼女は一時期女優活動を止め、動物保護施設の運営などもしていたらしい。まさにハリウッドの松島トモ子だ!!w まさに男を拒絶し、馬を愛するマーニーの姿にまんま重なるというわけだ。

そうやって『マーニー』を観ると、別の意味で更に楽しめるかもしれないw

★★★★☆



アイ・アム・レジェンド

リチャード・マシスンのSF小説『地球最後の男』3度目の映画化。

原作は'54年発表で、死者が生きた人間を襲う、その理由を科学的解釈する等の点で 後の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(ジョージ・A・ロメロ監督)等に代表される、いわゆる「ゾンビ映画」にも多大な影響を与えている。

しかし たった一人生き残った世界という設定だけでも充分恐ろしいのに、映画開始30分で初めて明かされる「闇の恐怖」…説明的な台詞等をほとんど排し、眈々と見せていく序盤の手法はなかなかのもの。後半は やや説明不足な点もあったが、その謎めいたまま話を進めてしまっている不親切な点も恐怖の増幅に一役買っていたと思う。何でも親切丁寧に説明すればいいってもんでもないしねw

ウィル・スミスの迫真の演技も凄かったね。作品に説得力を持たせるために肉体改造までバッチリしちゃってさ。

それにしても 無人で廃墟と化したニューヨーク市内のビジュアルはCGを使っているとはいえ 圧巻だった。でもちゃんと街を封鎖してロケはしていたみたい(そこにCGの映像を合成している)。CGを使っていても、映画にリアリティを持たせるために そういった手間暇は大事…という好例みたいな映画。

★★★★☆

リンダ リンダ リンダ

山下敦弘監督による2005年の作品。

韓国人留学生をボーカルに迎えたガールズバンドが 学園祭の舞台で唄うまでの軌跡を追った青春ドラマ。

設定はかなり異なるが、ガールズバンド、オフビートな作風等は 後の『けいおん!』に大きな影響を残したものと思われる。

しかし 香椎由宇も小出恵介も松山ケンイチもみーんな高校生だよ!!w ほんの数年前の話なのに。特に香椎由宇って、この頃からやたらと色っぽかったんだね☆w

前田亜季もBase Ball Bearの関根史織も好演していたが、個人的にはペ・ドゥナに萌えた☆w 彼女のあの素朴な感じとブルーハーツの歌詞が、本作を支えていると言っても過言ではないだろう。ペ・ドゥナちゃんの他の作品も是非とも観てみたいですね。

それとポイントは、彼女たちを暖かく見守る教師役が、ヒロトの兄ちゃん(実兄)・甲本雅裕だったという事。これ以上ないっていうぐらいのブルーハーツ・オマージュであり、リスペクトだw

移動撮影によるショット等も素晴らしく、地味ながらも要所要所で目を見張る1本だった。未見の方は必見!!

★★★★☆

SR サイタマノラッパー

入江悠監督の出世作。

もし このSHO-GUNG達が東京にいたらこういう話にはならないだろうし、東京という街の中に違和感なく溶け込むか、もしくはありふれた光景として埋没していたであろう。つまりそれは「映画にならない題材」という事だ。

しかしこの物語はサイタマの田舎町だからこそ成立し得た、マイノリティの厳しい現実をドキュメンタリー風に切り取って見せた作品になっている。

映画としての完成度は お世辞にも決して高いとは言えないのだが、本作で扱われているラップ同様「心意気で見せる映画」になっており、見る者の胸を打つ。

ラッパーはマイク1本で、ギャングスターは腕っぷしと器量の良さでゼロから成り上がっていくものだが、入江監督は この『SR サイタマノラッパー』で一躍 のし上がっていった まさに「サイタマン・ドリーマー」だw

★★★☆☆

トランザム7000 VS 激突パトカー軍団

『トランザム7000』シリーズ第2弾。

バート・レイノルズのセクシーさと、ポンティアック・ファイヤーバード(トランザム)の格好良さと、派手なカースタントに ただただ酔いしれる1時間40分。

壮大な荒野を200台以上のパトカーとコンボイが文字通り激突する、騎兵隊 VS ネイティブ・アメリカンを彷彿とさせる西部劇さながらのカーアクションシーンは今見ても圧巻!! 元々スタントマンであるハル・ニーダム監督のこだわりが凝縮された名シーンだ。

で、パトカーによる物量作戦カースタントといえば『ブルース・ブラザーズ』も思い出されるが、実は奇しくも本作も同じ1980年公開の作品である。

ハル・ニーダム好きのオイラからすると、ドム・デルイーズ等『キャノンボール』シリーズにも出てくるニーダム組の常連も数多く出演しているのもポイント。それと可愛い象さんも出てくるので、子供と一緒に見ても安心の1本だw 前作を見ていなくても楽しめます♪


★★★☆☆


(2014.1.23 一部改稿)

少年メリケンサック

今や『あまちゃん』で国民的作家になってしまった宮藤官九郎の監督・脚本作品。

映画を観て久しぶりに腹抱えてワロタ!!w

そして 宮崎あおいの超絶的な可愛さを今更ながらに再確認!!w

佐藤浩市をはじめ 出演陣のいずれも怪演という、まさに怪(カルト)映画だ!!w

そして本作はミュージシャン(グループ魂)として活躍しているオッサン・ロッカーでもあるクドカン自身の叫びであり、『あまちゃん』同様、同世代に向けての応援歌となっている。

しかし この映画を観た人のうち、どれくらいの人が田口トモロヲがホンマもん(ガガーリン、ばちかぶり)だったっていう事を知ってんのかねぇ?w

トモロヲさん本人はジミーさんなんてもんじゃないよ!! ライブ中に炊飯器の中にウ○コとかしてたんだから!!w

一番笑えたのは、若き日の秋夫を演じた佐藤智仁(佐藤祐基)が 佐藤浩市に激似だった事w それだけでも必見のGWにオススメの一本です。

★★★★★

スネーク・アイズ

ブライアン・デ・パルマ監督による珠玉のサスペンス・ムービー。

正直 デ・パルマによるヒッチコックまがいの悪趣味な初期の一連のサスペンス物『殺しのドレス』や『ミッドナイトクロス』『ボディ・ダブル』等はあまり好きではなかった。

しかし『スカーフェイス』『アンタッチャブル』『ミッション:インポッシブル』等のビッグ・バジェット作品での成功で名声を得たデ・パルマは自ら製作や脚本(共同)もこなし、自らの集大成とも言える一級品のサスペンス・ムービーを作り上げた。それがこの『スネーク・アイズ』である。

冒頭13分のワンカット長回しは、まさに「デ・パーマ・カット」の真骨頂であり圧巻。

後半に いつもの「分割カット」が出てきて、「まだこんな事やってんのかよ、このオッサン」とニヤリとさせられたが、ここまで来ると立派な「芸」であると認めざるを得ないw

坂本龍一によるスコアもバーナード・ハーマンのように仰々しくなく、抑制が効いていて好印象。まるでエンニオ・モリコーネのように美しいサントラだ。

★★★★☆

これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫

初めの30分を観て退屈な映画だと思っていたのだが、結局最後まで観られたw

映画としては お世辞にも良い出来ではなかった。しかし、赤塚不二夫を演じた浅野忠信の演技だけで充分に楽しめた。

本作は 脚本や演出が優れていなくても、浅野忠信という俳優の演技だけでも充分に映画の「牽引力」としてなり得るという事を証明してみせたような作品だw

作品に花を添えるために編集者を女性(堀北真希)に変えたりと、事実とは異なる点も多々あり。

でもまぁ、それはそれで「これでいいのだ!!」という事かw

浅野君の演技も良かったのだが、個人的に赤塚不二夫役は 妻夫木聡にやってもらいたかった。

『おそ松くん』なんかを描いてた若い頃の赤塚先生は紅顔の美少年で、今だと妻夫木君に似ていたんだよなーw

★★★☆☆

ビデオドローム

デヴィッド・クローネンバーグ監督、初期の名作。

とにかくジェームズ・ウッズが若い!! そしてフッサフサ!!w

情報やメディアに「犯されていく」サイバーパンク的感覚は今見ても新鮮なテーマだ。ビデオ中毒者なら共感できる内容であろうw

これは今リメイクでやっても面白いかもな。おそらくネットの話になっちゃうだろうけどw

★★★★☆

スカーフェイス

史上最凶のギャングスター、トニー・モンタナの一代記をブライアン・デ・パルマが監督した83年の作品。

皿洗いのバイトをしていたキューバ移民のトニー・モンタナ(アル・パチーノ)が暴力と麻薬で のし上がり成り上がっていく様は、それまでヒッチコックのパクリみたいなB級サスペンスみたいなのばっか撮っていたデ・パルマが この『スカーフェイス』で初めてビッグ・バジェットに作品をつくるチャンスを与えられた姿と呼応する。

後のギャング映画、アクション映画等に多大な影響を与えた元ネタ満載の映画なので、観ておいて損はない…というか、観てないなら観とけ、コノヤローッ!!w

個人的にはジョルジオ・モロダーのディスコ・サウンドに物凄く違和感を感じたのだが、まぁそれも引っくるめて80'sなんだよなーw

★★★★☆

(今回から評価に星印をつけました。5点満点)

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