かーやん☆ブログ

稀代のポンコツDJ

2020年01月

『パラサイト』と『シャイニング』の類似性

映画『パラサイト 半地下の家族』を観てドキッとした。
というのも スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』へのオマージュが感じられたからだ。
その話をあまりネタバレにならない程度にちょこっとお話しを。

お金持ち一家 パク家の末っ子・ダソンは まるで『シャイニング』のダニーのように描かれている。歳の頃もどうやら同じくらいで、なんだか名前も似ているしw
しかもまるでシックスセンスも持ち合わせているような描写もある(でも本当は…その先は劇場でw)。

それと決め手になったのは、アメリカン・インディアン(ネイティブ・アメリカン)の件だ。
映画『シャイニング』では ほのめかす程度で それほど強調して描かれてはいないのだが、原作ではオーバールック・ホテルが建っている場所は かつてインディアンが大虐殺された地である事が語られ、その上にお建ってられたホテルで のちに二度に渡る惨劇が繰り返されるという、因縁曰く付きの呪われたホテルであるという事。
まぁお金持ちの家は高台にあったしね。まさに上から下を見下ろす(見下す)オーバールック(展望)なわけだし。

それとついついキューブリック的視点だけで語ってしまったが、よくよく考えたら ここでアメリカン・インディアンがモチーフとなっているのにはレビューの回で述べた「多層構造」が起因しているんだった。

お金持ち→高台の豪邸→侵略した西洋人(上層)
貧困層→半地下→虐殺されたインディアン(下層)

という構図もあった。

そういう細かい描写とかが気になって『ジョーカー』は2度観に行ってしまったのだが、この『パラサイト』も他にも探せばまだまだ深く掘れそうな何度も観たくなる映画だ。

他にもキューブリック・オマージュを見つけたのですが、それは映画の核心にちょっと触れてしまうネタなので、それは自分で探してくださいw

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パラサイト 半地下の家族

今 最も旬で話題の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』を立川・kino cinéma(←こちらお初)にて観賞。

演出、脚本、撮影、美術、音楽、役者、演技、配役…どれを取ってもパーフェクトな超一級品だった。そりゃあパルムドールも獲りますわなw

韓国って役者さんの層が厚いよねぇ〜。そしてオリジナル作品という事で、非常に「佇まいの良い映画」(←この表現をかーやんが使う時は大当たりw)だったなと。

で、私めが『パラサイト』を観て感じた事をいくつか(直接的なネタバレはありません)。

まずは「多層構造」であるという事。
それは物語やその設定もそうだし、役者さんの演技もそうだ。
本作では「日常において“誰かを”演じている人」を役者が演じている。
もうこの時点で多層構造だ。
こうしたテーマは映画との相性が非常に良い。

そして観ていてビシビシ感じられたのが 映画『シャイニング』へのオマージュだ。他にも『時計じかけのオレンジ』等 キューブリック作品への異常な愛情をいくつも感じられた。でもそれはストーリー上のものではなく、あくまでエッセンスとしてのものなので、是非とも目を凝らして確認して頂きたい。

それと最後に、ポン・ジュノ監督による『パラサイト 半地下の家族』を観て感じたのは
「あ、この観了感ってタランティーノの『パルプ・フィクション』や岩井俊二の『Love Letter』を初めて映画館で観た時によく似ているなぁ」
と。
ちなみに『パルプ〜』は94年、『Love Letter』は95年公開で、アメリカと日本から発信された映画だ。
そう、あれからもう25年も経っているのだ。
そして それらによく似たテイストを現代において受け継いだ『パラサイト』は見事 審査員の満場一致でパルムドールを受賞し、今まさにオスカーにも手を掛けようとしている。
そう考えると、岩井俊二は25年早過ぎた。と同時に、25年経って『パラサイト』に追い抜かれてしまった25年遅い映画でもあるのだ(笑)。
去年ベタ褒めしたクリント・イーストウッドの『グラン・トリノ』(去年の映画じゃないけどw)を僕は「10年に1本の傑作」と評しましたが(こちらは別に革新性があるわけではないオールドスクールな傑作でしたが)、この『パラサイト 半地下の家族』は「25年ぶりに帰ってきた傑作」だ。90年代の革新的なムーブメントを目の当たりにしてきた者にとって 特に新鮮味はなかったが、間違いなく映画史に残るマスターピースだったと思う。

同じアジアで最隣国の韓国でこうした映画が出来、世界中で評価されているのは本当に喜ばしいと思った次第。
っつーか、お隣がこんな良い映画作ってんだから もうちょっと頑張れよ、日本映画!!(苦笑)
そういえば日本アニメ史において革新をもらたしたエヴァンゲリオンも もう25年だ。そしてエヴァ以降にそれを超えるイノベーションがほとんどなかったのも事実。
日本映画よ、もういっその事 韓国映画に「パラサイト」しちゃえよ!!(笑)…と、思った かーやんなのでしたw

はっきり言って、必見の一本。是非とも歴史の目撃者に。

★★★★★

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山田洋次と黒澤明

『男はつらいよ』第1作目では志村喬が博(前田吟)の父親役で客演。東宝から出向での特別出演という形だが、この後も準レギュラーとして度々出てくる。

これは山田洋次が松竹に在りながらも黒澤明を敬愛していた事の証でもある。

伝統的で文芸色の強い 松竹の大先輩である小津安二郎を否定しながらも、大島渚を筆頭とした松竹ヌーベルバーグの「波」にも乗れなかった初期の山田洋次は喜劇という娯楽映画の王道を突き進んでいく事となる。

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しかし山田洋次が後年 黒澤邸を訪れた際に天皇黒澤が自室で小津の『東京物語』のビデオを黙ってじーっと観ていた姿に衝撃を受けたという話は有名だ。

娯楽映画の王道を突き進み、世界のクロサワと呼ばれた あの敬愛する黒澤明が、忌むべき存在であった小津安二郎の映画を熱心に観ている…山田監督はそこから考えを改めたという。

そしてその松竹の大先輩である小津に敬意を表して作られたのが『東京家族』というわけだ。

男はつらいよ

『男はつらいよ』第1作目、観了。

本シリーズは回を重ねる事で松竹の喜劇映画から盆暮れ正月の定番となる「寅さん(の)映画」という独自のフォーマットを構築していく。
そのスーパーオリジンとしての第1作なわけだが(厳密に言えば、その前身となるテレビ版もあるが)、この時点で もう既にその人情喜劇としての基本的要素がみっちりと詰め込まれている。
だが初回という事もあり、まだまだ荒削りな点が多いのも事実だ。
だが半世紀の時を掛けて完成形をみた『男はつらいよ』の原点は まさしくここにあり、最新作である50作目『お帰り 寅さん』でもこの第1作目の映像が数多く挿入されていた。

そう、全てはここから始まったのである。

★★★★☆

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