今日はのっけから昨日の続きで『BSアニメ夜話』のお話から…。
と、いうのも本日取り上げた作品は私のモースト・フェイバリット・ムービー『ルパン三世 カリオストロの城』だから!!
ごめんね、今日も二代目淀長(襲名予定)モードでバツンと語らせてねすいません(笑)

今回ゲストとして唐沢俊一氏(今では『トリビアの泉』のスーパーバイザーとして有名になってしまいましたが)が出ていまして、唐沢氏はあえて“カリ城否定派”の代表として作品の粗を色々と語っておりました。ま、それは別に全然構わないし、腹も立たないのですよ。唐沢さんはカリ城が名作であることを前提に語っているわけだし、宮崎駿がパクリの帝王だということも私はよく存じ上げておりますので(笑)。

しかーし、私が引っ掛かったのはカリ城の粗のひとつ“物語の整合性”についての話。

国営カジノの大金庫からかっぱらったゴート札(偽札)がきっかけとなり、ルパン一味はいざカリオストロ公国へ乗り込むわけですが、「その動機・必然性がちっとも描かれていない!」と唐沢氏は言うわけですよ。
あーあ、所詮すれっからしの大人の発言だよな?ドクロ汗(苦笑)

私は以前自分のホームページで映画レビューをやっておりましてその時にも言ったのですが、ルパンは何故カリオストロ公国に忍び込んだのか…それは

カリオストロ伯爵への復讐

に他ならないわけですよ。
ルパン曰く「青二才だった」頃に一度臨んだゴート札の謎解き…しかしその時ルパンは惨敗を期したわけで…つまりルパンは伯爵の鼻をあかすためだけに乗り込んでいるのです。そう考えるとね…ここからは私の仮説なのですが、

「ルパンは国営カジノにゴート札があるということをあらかじめ知った上で盗んだのではなかろうか?」

と。つまり次元には明かさなかったけれど、全てこれルパンの演技だったのではなかろうかと…私は思うのです。
もしルパンが偽札であることを知っていた上で盗むことによって自らきっかけを作り、次元をそそのかしてカリオストロ公国に行っていたとしたら…これで辻褄合いません?
よく見ているとルパンは全編に渡って取り巻きの人間(次元・五ェ門・不二子・銭形)を実にうまく利用して行動しているんだよね(現にルパンはクラリスが伯爵の花嫁であることを知っていながら次元には話していなかった)。

で、クラリスを助け出す(盗む)というのも、カリオストロ伯爵への復讐の一端だったのではなかろうか、と(もちろん「青二才」だった頃に助けてもらったお礼という意味合いもありますが)。
だから私は「ルパンはクラリスのことを愛していた」という説には反対なのですよ。
ルパンは伯爵の悔しがる姿見たさにクラリスを救い出し奪った…つまり

ルパンはクラリスまでをも利用していた

わけですよ(大人だなぁ…/笑)。
しかしクラリスはルパンのことを愛していたと思うのです(ま、初恋レベルではありますが)。
その証拠にクラリスは「私も泥棒の仕事を覚えるから連れて行って!」とルパンに抱きつくわけで…。
しかしその時のルパンのリアクション(顔)を思い出してほしい。
まるで鳩が豆鉄砲をくらったかのようにビクッと驚いて総毛をビリビリと立たせているではないか。
あの驚きは

「えっ! オレ別にそんなつもりで助けたわけじゃなかったんだけども…」

という風に見えなくもない。

そもそもルパンはクラリスを助けることを目的にカリオストロ公国に乗り込んだわけではなかったのだから(その証拠にルパンはクラリスの指輪を見るまではすっかり彼女のことを忘れていたと述懐している)。

そしてルパンは伯爵に向かって「ロリコン伯爵」とまで言い切っているのだ。
それは同時に「オレ(ルパン)もオッサンではあるけれどロリコンではない」と表明していることに他ならない(ロリコンはロリコンに向かって「ロリコン」とは言わないからだ/笑)。
そう考えるとやはり恩人ではあっても

ルパンはクラリスを一人の女性としては見ていなかった

と思えるのだが、如何だろうか?
そしてルパンはクラリスを旨くなだめて、しかもおでこにチュッハートなのだ。これもルパンがクラリスを子供扱いしている証拠である。
まぁ、クラリスが宮さんの理想の女性像であることは間違いないのだろうが、その想いをあえてルパンに投影しなかったことがこの作品の勝因(!?)だったのではなかろうか、と(むしろ宮さんは伯爵側!?/笑)。

ついでにまたさらに私見を付け加えさせてもらうと、ルパンは伯爵への復讐、そしてゴート札の謎解きさえできれば泥棒稼業を引退してもいい、という気持ちでこの仕事に臨んだはずである(カリ城でのルパンはもう既にオッサンだったし/笑)。
そう、事実上カリ城は

ルパンの最終回

なのだ。
で、本当の(TVセカンドシリーズ)最終回『さらば愛しきルパンよ』(第155話)も宮崎駿が演出しているのだが(照樹務というペンネームで)、宮さんは当初銭形に変装していた本物のルパンに緑色のジャケットを着させたかったらしい。つまり赤ジャケ(TVシリーズ)のルパンは全て偽物だった、と。
これは「青二才」だったルパンへの全否定とも取れる実に大胆な結末であった。
そして、宮崎駿はその最終回の1年程前にカリ城で緑ジャケルパンを登場させているのだ(この時TVシリーズもオンエア中で、そちらは赤ジャケだったのにも係わらず)。

そして最終的に盗んだものは「あなたの心」(by 銭形)ときたもんだ!!(笑)
そして指輪を手に入れ謎を解き手に入れたお宝は「ポケットに入らない」古代ローマの遺跡であった(でも難攻不落とされたゴート札の謎解きなんて実に簡単に暴けちゃったし/笑)。
そう、この“手にする(いれる)ことができないふたつのお宝”(←これこそが『炎のたからもの』!?/笑)を手に入れた時点で、

ルパンにはもう盗むものはなくなってしまった

のだ。
つまりそれは大泥棒・ルパン三世の終焉を意味する、というわけである。

宮崎駿は「ルパン三世というモンスターにとどめを刺す」つもりでルパンの、そして自分のキャリア(アニメ)の集大成をカリ城で実現したのだ(これと同じような“物語の構築と破壊”を押井守『うる星やつら2』『パトレイバー2』でやっている)。
でもそれにはひとつ大きな誤算がありまして…ひとり歩きし肥大化したキャラクターにとどめを刺したつもりがいつの間にか「カリ城のルパンこそが本当のルパン!」というパブリック・イメージが逆についてしまったわけだけれどね☆(チャンチャン/笑)

…と、まぁかなり長々と熱く語ってしまいましたが(←いつもの事/笑)、こんなことを踏まえながらまた見直してみてくださいな☆ 何度も見てもきっとまた新たな発見があると思いますので。
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今日の『ぴったんこカン・カン』のゲストはW(ダブルユー)。
ロケ編ではTBSの安住アナがWのふたりを連れ出してゲーセンへデートに。安住アナ、実は何気に私とタメだったのね(昭和48年組)。つまりダブルスコアドクロ(辻加護15歳)…おっさんおっさん何してまんねん!! ♪わてほんまによういわんわ(←わかる人だけ笑ってください/笑)
そして辻加護は相変わらずの「うんこ」「やきそば」っぷり(笑)。15歳の少女に31歳ダブルスコアのオッサンが振り回されるというジェネレーション・ギャップを狙ってのデート企画なのだろうが、そこでひとつ疑問が…
「イマドキの15歳ってあんなもんかぁ?」
いくらなんでも今の15歳ってもーちょっと大人っぽくてしっかりしてるんじゃないの? しかもWはオトナの世界(芸能界)で働き始めてもうだいぶ経っているわけだしさぁ。身体だけブクブクおっきくなっちゃっても、中身はいまだにランドセラーなのか?(っつーかお前ら中学でちゃんと義務教育ぐらいは受けたんか?) まぁ若さをウリにしているわけだから今はこれでいいんでしょうけれど、同学年(15歳)から見たらWのふたりは一体どーなんでしょうかねぇ?
しまいにゃあ番組内でコロッケやピザパンにポン酢をガンガンかけて美味しそうにモリモリ食べ始めるし…これはもうジェネレーション・ギャップ以前の問題…ただの変人だって!!(笑) 世の15歳たちよ、お願いだから「こんなんを俺たちと一緒にしてくれんなっ!!」と世界の中心でさけんでくれっ!!(笑)
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ルパンの話をしてたら東京事変の話ができなくなっちゃったよ汗(苦笑)
その話はまたいずれ…。