2ということで続編企画なのですが(第1弾はこちら)、今回は本当にみなさんが知らない無名の映画ではなく、いつの間にかその存在を無きものとされ、今や幻となってしまった作品のお話。

スティーブン・スピルバーグ監督の『シンドラーのリスト』が初めてDVD化された時、「スピルバーグの代表作で唯一DVD化されていなかった作品」というようなキャッチコピーで売り出されていましたが、それを見た私は「お、おいっ!! 『1941』はどーしちゃったんだよ!! まだDVD化されてないやんっ!!」と世界の中心でさけんだもんです。
『1941』とは当時若き天才のスピルバーグが『未知との遭遇』の後に世に送り出したコメディー作品。真珠湾攻撃直後のロサンゼルスを舞台にただただ繰り返される破壊・破壊・破壊の嵐!! まぁ、初代破壊王 ジョン・ベルーシが出てますからねぇ(二代目は橋本真也ということにしておこう)、破壊・破壊も納得なのですが、このスラップ・スティック・コメディーの傑作も天下のスピルバーグ作品としては当時記録的な不入り&大酷評!!(苦笑) 『ジョーズ』『未知との遭遇』とバカ当たりして、その才能も認められ、イケイケゴーゴーのスピさんが作った期待の次回作が大枚をはたいて破壊の限りを尽くした阿呆阿呆映画だったので一同口アングリ…今ではスピルバーグのフィルモグラフィーにも載せられることもない幻の作品となってしまった(きっと彼の中では抹殺したい過去の汚点なんだろうなぁ…)。
『A.I.』の水没した観覧車が破壊されるシーンは実は『1941』のセルフパロディーなのですが…元を見ている人が少ないだろうから誰もわからないよなー(笑)。私は学生の頃1度、レンタルビデオで観ただけなのですが…うーん、また見直したいっ!! テレ東の昼間っからやってる吹き替え映画でもいいから(笑)。
ちなみに本作には“チューリップ三十郎”こと三船のトシちゃんも潜水艦艦長の役(っつーか、かなり山本五十六風味)で出ているのですが、大いに酷評されたこの『1941』に出演したことで後の俳優人生を狂わせてしまった…(苦笑)。実はその前にハリウッドから大作映画の出演オファーがあったのだが、その時ミフネは「こんなふざけた映画に出られるか!!」と無下に断ってしまった。しかしその映画は後に世界的な大ヒットに!! 「し、しまった!!」と思ったミフネ御大は次にオファーのあった、しかもネームバリューのある若手監督・スピルバーグの『1941』への出演を二つ返事で快諾したのだが…結果はただ失笑をかって終わってしまった(笑)。その大ヒットした映画とは、ジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』であり、ミフネがオファーされた役とはあのオビ=ワン・ケノービであったのだ(そーいやぁ『マトリックス』シリーズに“ミフネ船長”って出てたよね/笑)。

それともうひとつ、今やビデオでもDVDでも観られない作品を。
みなさん『カランバ』って覚えています?(正式な邦題は『残酷を超えた驚愕ドキュメント/カランバ』) いわゆるヤコペッティーの『世界残酷物語』なんかの系譜上にある“残酷ドキュメンタリーもの(といっても9割9分はヤラセ/笑)”の1本なのですが、これ日本ではそこそこヒットしたんだよね?。縄をつけたジープに引っ張られ、腕チョンパされるシーンが当時はCMでも流れ(平和な時代だったなぁ…)、当時とても話題になったのです。その頃私は小学生で、こーいった怖い映画やホラーなどは絶対NGの怖がりっ子だったので結局今に至るまで未見のままなのですが、学校では友達と縄跳びで両腕を引っ張り合ったりして、リーバイスのタグさながらの“カランバごっこ”をやったもんです(←実話/笑)。まぁ、今思えばとんでもないヤラセ映像なのですが、当時はそんなこと思いもしなかったし、なにせ純粋だったので(笑)、本気で信じて怖がっていましたよ?汗
監督はマリオ・モッラ『グレート・ハンティング』シリーズなどのこれまたいわゆる(インチキ)残酷ドキュメントものを得意としていた監督さんなのですが、ネットで調べてみたら『ポール・ポジション』というF-1ドキュメンタリー映画では、今やハリウッドで監督になってしまったヤン・デ・ボン(当時は撮影監督)とお仕事していたり、日本で大ヒットしたあの名作『ニュー・シネマ・パラダイス』では編集をしていたり…と、意外な過去が明らかに!! ま、そんな腕チョンパ映画みたいなのばっか作っていたから さすがに干されて編集業にとらばーゆしたのかな、と思うのですが…(笑)。

覚えていても今や観ることができない…そんな映画を思い出したらまたこの場でご報告致します。

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『SHAUN OF THE DEAD』というイギリス映画が気になります。
タイトルから察しが付く通り、実はコレ『ゾンビ(DAWN OF THE DEAD)』のパロディー。しかしお笑いとはいえ、トレイラー(予告編)を見る限りでは結構本格的な感じで怖そう…。
そーいやぁ先日公開された『ドーン・オブ・ザ・デッド』(←リメイクの方ね)がディレクターズ・カット・バージョンとしてDVD化されるんだとか。劇場で観た時にはグロシーンはほとんどカットされ、お子様仕様になっていたので、こちらは大いに楽しみです☆
んでそんなゾンビブームに便乗してか『死霊のえじき』(←しかも完全版らしい)も『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 死霊創世記』(←こちらはトム・サビーニがリメイクした方)もDVD再リリース。
そして当の生みの親 ジョージ・A・ロメロ御大はというと、今度は『LAND OF THE DEAD』というゾンビものの新作に着手するんだとか。懲りないね?、この人も(と、言いつつも興味津々の私/笑)。新ゾンビ三部作…って、おぬしは大林宣彦かっ!!(笑) もー『なんとか OF THE DEAD』はいいっス!!