昨日はピーセラの伝記映画について書きましたが、それで思い出したのが『WIRED』(邦題は『ベルーシ=ブルースの消えた夜』)という これまた若くして急逝した伝説のコメディアン ジョン・ベルーシ(享年33歳)の伝記映画(ビデオ廃盤、未DVD化)のこと。

原作はボブ・ウッドワード。ワシントン・ポスト誌の名物敏腕記者で、あのニクソン大統領を退陣に追い込んだウォーターゲート事件をすっぱ抜いたことで世界的に有名な記者だが、『ベルーシ殺人事件』という彼の取材によって書かれたノンフィクション本(ちなみにベルーシ好きだった私はこの本を学生の頃に読んだ)がこの映画のベースとなっている(作中にもボブ・ウッドワード役の役者さんが登場している)。

でもこの映画の面白いところは、原作の取材内容をストーリーのベースにしながらも独自の展開を見せている点だ。
ドラッグのオーバードーズにより亡くなったベルーシは警察の死体安置所でガバッと目を覚ます。しかし、彼は生き返ったわけではない。それは“死への準備”なのだ。
自分の置かれた状況がよく理解できぬまま、ベルーシ(の魂)は外へ飛び出し1台のタクシーを拾う。
しかし、そのタクシーの運転手は人間の姿をしたベルーシの守護天使だった、というお話。そしてそのタクシーに乗車したベルーシは自分自身の太く短かった人生を走馬燈のように回顧(ドライブ)していく…という、ちょっとしたファンタジー仕立ての作品になっているのだ(それとウッドワードの取材模様もちゃんとドキュメンタリーのように描かれており、それが同時進行しながら話が進んでいくのだが、途中からウッドワードの取材とベルーシの死後の体験が交錯していく様がこれまたよくできていて面白い)。

これはボブ・ウッドワードの原作を巧く脚色した脚本家(スコセッシ×デニーロの『ニューヨーク・ニューヨーク』の脚本も手掛けたアール・マックローチ)の勝利である。

それと『サタデー・ナイト・ライブ』のネタから引用したセリフ(ダイナーでチーズバーガーとペプシを頼むシーン等)なんかもあったりして、ベルーシ&ブルース・ブラザーズのマニアックなファンならおもわずニヤリとするような気の利いたネタ満載であるところも見逃せない。

しかし…ベルーシの作品を観ていなかったり、ましてや彼の存在を知らずに本作を観ても正直あまり楽しめはしないだろう(苦笑)。
まぁ、それくらいコアなファンの目から見たらそれなりによく出来ている作品なのだが(原作を読んでおくと さらに楽しめる作りになっている)、いわゆる一般大衆向きの作品でないことは明白だ(しかもベルーシの死因のことを考えると、決して明るい作品ではないし/苦笑)。

で、ジョン・ベルーシを演じた勇気ある役者はマイケル・チキリス。声や仕草までも似せてかなりの好演でありました笑顔

しかしまぁ、ボブ・ウッドワードの取材という裏付けがあるとはいえ、よくぞここまで描いたよなぁ?。遺族が見たら怒るかもしれないというのに…(苦笑)。
個人的にはジョンと相棒 ダン・エイクロンドが海岸で男同士の熱く固い約束を交わすシーンがグッとくる(事実かどうか知らんが)。そしてその後に続くジョンの葬列のシーンでジーンと感動悲しい ジョンを乗せた霊柩車をハーレーに乗ったダニーが先導しているのだ(ダン・エイクロンドは有名なハーレー・ダビットソンマニアでもある)。これにはシビレたっ!!

そして話を昨日の『ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方』に戻すのだが、きっとジェフリー・ラッシュもこの誰もが知っている伝説的俳優・ピーセラを演じることにプレッシャーを感じなかったわけがない(実際、彼はこのピーター・セラーズ役のオファーを1度断っている)。
でも彼ならきっとマイケル・チキリス同様、素晴らしい演技をしてくれているはずである。それと『ライフ・イズ?』も『WIRED』のように実話でありながら一筋縄ではいかないファンタジー的な仕掛けが施してあるという。これもどんな見せ方をしてくれるのか今から楽しみである。

あー、1/29が待ちきれないぞっ!!(って、この日は私お仕事ですが…ドクロ/苦笑)
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今日雨損からシティボーイズのライブ(シティボーイズミックス)のDVD
『だめな人の前をメザシを持って移動中』
が届き、鑑賞。

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何度聞いても惚れ惚れとするタイトルである(笑)。
しかし斉木さん、年々身体と芝居が大きくなっていくなぁ?(笑)。さすが20万円の演技!!(笑)
シティボーイズライブからミックスに変わって4年目ですが、細川徹の演出も回を重ねるにつれ理性が無くなってきて(笑)こなれてきた印象。3人のオジ様達も年々良い感じに壊れてきていますハート(笑)

それと特筆すべきは、オープニング&エンディング、そして幕間の映像を椎名林檎等のPVでおなじみの番場秀一監督がディレクション。そして音楽はPE’Zが担当音符 PE’Zといえばキーボードのヒイズミマサユ機(H是都M)氏は東京事変のメンバーでもありますので、今回の公演はなんと林檎つながりりんごハート(笑)
林檎ファンも必見の『だめな人の前をメザシを持って移動中』、是非とも御覧あれ音符