まるで禅問答のような話だが(苦笑)

世界には、世にも珍しい

「撮らないカメラ」

というものが存在する。


それがこの

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compass(コンパス)である。

なんと今から70年以上前に作られた、煙草の箱ほどの大きさの小さなカメラなのです!!

まー、なんとも斬新なデザイン!!

しかし このカメラ、ただ単に小さくて斬新なフォルムというだけではないのです。

このコンパスは 当時このサイズのカメラとしては珍しく

露出計・距離計・フィルター(4種)・フードも内臓式で

これ1台で ステレオ撮影もパノラマ撮影もできる(専用のアダプターが内蔵、三脚も付属している)というスグレモノなのである。


…と、ここまで話して みなさんは 不思議に思わなかっただろうか?

当時として考え得るかぎりの最先端の技術・機能をこれだけふんだんに盛り込んだのにもかかわらず、何故に このカメラが「撮らないカメラ」なのかと(笑)。

要は 機能を「詰め込みすぎた」のだw

煙草の箱ほどのサイズにどれだけの機能を盛り込めるかという事で作られた まるで洒落のようなカメラなので、とにかくカメラとしては 使いづらいのだそうだ汗(笑)

それとこのコンパスは メーカーは英国だが、現在のジャガー・ルクルト(スイスの超高級時計メーカー)で作られていたのである。

つまり1個1個 職人の手によって作られた高級時計と同じ「工芸品」でもあるんですね、このカメラはカメラ


だから撮るために作ったカメラというよりは「見て・持って楽しむカメラ」だったというわけなのです(それにもかかわらず最高級の機能がついているというのが またなんとも皮肉なのだが汗/苦笑)。

「撮らないカメラ」なんて 一見 無駄のように思えるが、こういうものが作られていた時代というのは ある意味「心の豊かな時代」だったのかもしれませんね。


もちろんルクルトの時計と同様に高級なカメラだったので、当時はおそらく上流階級の人しか持てなかったと思われるのですが、当時のお金持ちは このカメラをみんなに見せびらかして

「どうだい? これは あの(時計の)ルクルトが作ったカメラなんだぜ!!」

と、自慢していたそうな。

でも最後に

「でもまぁ、これで写真を撮った事は一度もないんだけどね汗

と、一言つけくわえて…(笑)。