小津安二郎監督の『晩春』を観る。

小津作品における 結婚をめぐる父娘の話の原点的作品。これから小津作品を観ようと思っている人にはオススメの一作だ。
 

しかし何故に小津安二郎は野田高梧(脚本家)と共に遺作となる『秋刀魚の味』まで「結婚」という同じテーマで作品を撮り続けたのであろうか。
 

その答えは この『晩春』の中にあるかもしれない。
 

『晩春』では その全てがストーリーとして、台詞として描かれている。
 

(後に皆がイメージする)小津映画の原点はここにあり、これ以降は どんどん研ぎ澄まされソフィストケイトされていくのだ。
 

よく言われる「壺論争」とか、ラストシーンで笠智衆が号泣する事を「男は人前で泣くもんじゃない」と言って頑なに拒否した話など、この作品を観ていると そんな事はどうでもよく思えてくる。それを抜きにして観ても充分に完成度が高いのだ。


そして個人的な見どころは展望灯台ができる前の江ノ島の姿が映し出されている点。あの当時(昭和24年)からあそこには茅ヶ崎方面へのサイクリングコースがあったのだろうか?w


★★★★☆


(2014.2.12 一部改稿)