今まで あえて おとなしめにしていたのだが、テレビ放送も(関東地方では)ようやく終わったので、総括の意味も込めて そろそろ愛すべきテレビアニメ『けいおん!』について、この場を借りて 少しずつ語ろうかと思う(注:第1期が『けいおん!』、第2期が『けいおん!!』というのが正式なタイトルだが、今後シリーズを総称して呼称する場合は『けいおん!』と表記する事とする)。

以前も ちょこっと このブログで語ったかもしれないが『けいおん!』…いや、このアニメを制作した京都アニメーションの凄いところは

本気でスタジオジブリと勝負している 数少ないアニメスタジオのひとつ

で、あるという点だ(それと近年、京アニのような地方発のアニメスタジオが非常に力をつけてきているという事も加えて記しておきたい。もはやジャパニメーションは東京だけのものではないのだ)。

日本で最高峰のアニメスタジオである、白髪髭のおっちゃん率いるスタジオジブリを前に皆 萎縮していないだろうか?

「まぁ、規模も才能も桁違いだから…」と言ってしまったら それまでなのだが、京都アニメーションは 同じフィールドではなく、一大ブランド・スタジオジブリとは別のアプローチで様々な挑戦を試みている。

まずそこで特筆しておきたいのは、主要スタッフが女性であるという事だ(監督・山田尚子、シリーズ構成 ・吉田玲子、キャラクターデザイン/総作画監督・堀口悠紀子 等)。

『けいおん!』を見ていると「これは女性の感性でないと絶対に描けない描写だな」と思えるシーンがいくつかある。

それを象徴する代表的で、且つ私が個人的に好きなシーンは 第2期『けいおん!!』後期(第14話以降)のOP曲『Utauyo!! MIRACLE』の中で出てくる 放課後ティータイムのメンバー5人が横一列にラインダンスのように並んで足を上げるシーンだ。

みんなで一斉に片足を上げてダンスのように同じポーズをとろうとするが、何度やっても誰かひとりが違うポーズをとってしまうので なかなかピタッと合わずに、終いには皆でケタケタ笑い出してしまうというシチュエーションをPV映像として描いているのだが、こうして字面にしてしまうと、もしくは実際に映像を見ても「だから何なの?」と、この面白さが分からない人もいるかもしれない。

まぁ一言でいってしまえば「箸が転んでもおかしい年頃」というやつを映像化した典型的なものなのかもしれないのだが、面白味の要素は それだけではないと私は思っている。

このシーンの面白さは (足を上げようとして失敗するという)事象としての面白さでも、前述の「箸が転んでも~」に共感する面白さでもないのだ。

こんな他愛のない事でケタケタ笑っている女の子たちがここにいるという「存在としての面白さ」なのだ。

その「存在としての面白さ」というのは、このアニメが物語や関係性ではなく、個々のキャラクターによって成り立っているという事にも繋がるのだが、その話はまた別の機会にしたいと思う。


それと見ていて驚いてしまったのは、第2期『けいおん!!』最終回(第24話)での描写(ワンカット)で、卒業式の日に さわちゃん先生が教室で最後の挨拶をする際、出席簿に そっと手を寄せて愛おしむように さする。それと生徒たちが全ていなくなった空の教室で、机を そっと撫でる…一見 別に在っても無くても支障のないような、よく見ていないと気にも止まらないような捨てカットなのだが、こうした繊細なカットの積み重ね男性の(男性的)感覚からは まず出てこないものだと思った。


あと最後にひとつ記しておきたいのは、第2期『けいおん!!』後期のED曲『No,Thank You!』で澪がジャンプした時のスカートのひらひら加減!!(笑)

この「ひらひら」は男性的な興味本位のチラリズムとは異なり、女性的な躍動感がよく表現されているので ちっともエロくないw

しかし、もしこのカットを宮崎駿が見たら 嫉妬するに違いない!!(笑)

あの人も自作のヒロインのスカートのひらひら加減に執拗なまでに こだわり続けた人物であるw

だが今では以前のような瑞々しい(アニメーションとしての)動きは見られない。

果たして あの白髪髭のおっちゃんは『けいおん!』を見ていたのであろうか?

いや、もし見ていなかったとしたら、強制的にでも見せたい!!w

ただの萌えアニメでも 音楽アニメでもない、私の中で『けいおん!』とは そういうアニメ作品として強烈なインパクトをもって位置づけられているのであるw


【2時限目につづく】