小津安二郎監督の『早春』を観る。

まさに「小津・野田コンビの脚本に死角無し」だな!!

小津作品の中でも かなりの長尺もの(2時間半くらいある)なのだが、途中一切垂れる事がない。

まず通勤電車仲間っていう設定が既にモダンだ。

最近オイラもTwitterで知り合った地元(片瀬)仲間と会って飲んだりしているのだが、小津の脚本では もう50年以上前から こんな事を描いているのだw 

そして先日観た『晩春』と同様、またもや江ノ島が出てくる!!w

こうなってくると もう人ごとではないというか、少なくともオイラの中では 昔の話でなくなっているw


…と、まぁ そこが小津作品のポイントで、今観ても ちっともレトロスペクティブになっていないというか、全くもって「現代(いま)の話」なのである。

特にサラリーマンの悲哀や不倫問題なんかを取り扱った この『早春』は、まさに今の この時代に観るべき作品なのではなかろうか。


こないだ観た森繁の社長シリーズが1963年、そして『早春』が1956年…それで比較しても、小津作品が極々普通の日常的な事を描きながらも 過去のものとして風化していないという事がよく分かる。

つまり人間なんちゅーもんは、いつの時代も そうは大きく変わってはいないっていう事やね、根本的にはw


で、これをあえて観たというのも先日 池部良が亡くなったから(享年92歳)。合掌。

奥さんが淡島千景で、不倫相手が岸恵子だなんて…どんだけプレイボーイなんだっていうw

しかしまぁ 今見てもカッコイイからね、仕方ないかw

岸恵子とのお好み焼き屋でのキスシーンは 今見ても うっとりするね☆

謹んでご冥福をお祈り致します。


★★★★★


(2014.2.12 一部改稿)