岡本喜八監督の『肉弾』を観る。

まさにキハチイズムの集大成


東宝で比較的好き勝手に撮らせてもらっていた岡本が 何故に自分の家を抵当に入れてまでも この『肉弾』をATGで作る必要があったのかを考えながら観ると、より感慨深い。

やはり この人は巨匠ではなく、映画というものが好きで好きでたまらない「映画の虫」だったのだな。


脚本も演出もキハチ節炸裂で素晴らしいのだが、特筆すべきは若き日の寺田農の演技だろう。『独立愚連隊』の佐藤允を彷彿とさせる 粗野で荒々しい役者の原石だ。


それと大谷直子の初々しさも忘れてはならない。


戦争の本質をユーモアを交えて描いた本作を、世界中の人たちに観てもらいたいという思いを込めて…。


★★★★★


(2014.2.9 一部改稿)