先日NHK(BS)で放映されたデジタルリマスター版の『東京物語』を観る。

しかし今のデジタル技術ってスゴイね!! 白黒ではあるけれど、まるで最新作のような美しさに生まれ変わって音声も かなり聞き取りやすくなっていた。

で、この世紀のリマスタリングを手掛けたのは 実は天下のIMAGICAさん。きっと草葉の陰で小津先生も さぞかしお喜びの事でしょう。


戦後の小津作品は「結婚を迎える娘と父」という題材の作品がほとんどだが、本作は家族(親子)の在り方と郷愁の物語である。故郷と(亡くなった)親は遠くにありて想うものという事か。

まぁ小津さんの作品はシンプルで且つ普遍的なテーマを扱っており、『東京物語』には そうした日本人の精神や所作や 今では忘れかけられている「美しさ」がある。だからこそ こうして時代や世代を超えて語り継がれているんでしょうな。まさに日本映画のマスターピース


個人的には 笠智衆と十朱久雄と東野英治郎が3人でお酒を飲みに行くシーンが好きだな。

遺作の『秋刀魚の味』もそうだったが、男同士水入らずで飲みに行くシーンに小津さんの(日本の父親の)本音みたいなものがチョロチョロっと見え隠れして それが実に面白い。

あ、そういえば 十朱久雄が 十朱幸代の実父だという事を今日初めて知った!!w


それと余談だが、小津作品における杉村春子ってオイラはあんまり好きじゃないんだよなーw

演技が巧すぎて明らかに浮いているところが(苦笑)。

『小早川家の秋』での森繁久彌は小津さんも演出するのに苦労したらしいが(森繁は小津さんが嫌うアドリブの演技ばかりする人なので/笑)、杉村春子は志賀直哉の薦めで起用して小津監督は大変気に入り、『晩春』以降のほとんどの作品に常連として出ている。


で、ついでに もうひとつ余談なのだが、72歳の役を演じている本作の笠智衆だが 『東京物語』撮影当時は42歳だったらしいw

42(後厄)にして あの初老っぷり(笑)。亡くなってもなお 永遠の爺さんだな、笠智衆は!!(菅井きんなんかもそうだったけどw)


★★★★☆


(2014.2.12 一部改稿)