リチャード・マシスンのSF小説『地球最後の男』3度目の映画化。

原作は'54年発表で、死者が生きた人間を襲う、その理由を科学的解釈する等の点で 後の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(ジョージ・A・ロメロ監督)等に代表される、いわゆる「ゾンビ映画」にも多大な影響を与えている。

しかし たった一人生き残った世界という設定だけでも充分恐ろしいのに、映画開始30分で初めて明かされる「闇の恐怖」…説明的な台詞等をほとんど排し、眈々と見せていく序盤の手法はなかなかのもの。後半は やや説明不足な点もあったが、その謎めいたまま話を進めてしまっている不親切な点も恐怖の増幅に一役買っていたと思う。何でも親切丁寧に説明すればいいってもんでもないしねw

ウィル・スミスの迫真の演技も凄かったね。作品に説得力を持たせるために肉体改造までバッチリしちゃってさ。

それにしても 無人で廃墟と化したニューヨーク市内のビジュアルはCGを使っているとはいえ 圧巻だった。でもちゃんと街を封鎖してロケはしていたみたい(そこにCGの映像を合成している)。CGを使っていても、映画にリアリティを持たせるために そういった手間暇は大事…という好例みたいな映画。

★★★★☆