大島渚監督による1960年作品。

安保闘争をめぐっての 泥沼化していく学生運動の内実や、細かい描写による人間模様を 過去と現在のカットバックで描いた社会派の群像劇なのだが、 混沌とした今の世にこそ見返すべき作品なのかと。

しかし公開当時に 浅沼稲次郎暗殺事件が起こり 松竹はそれに憂慮し、本作は なんとわずか4日間で上映が打ち切られた。そんな経緯があり、それに猛反発した大島は松竹を退社する事となったという曰く付きの作品でもあるのだ。


で、『青春残酷物語』と並ぶ松竹初期の大島監督作品を代表する本作を観ていて ふと思った。

オイラの(アラフォー)世代は、大島渚監督というと 戦メリか

『朝まで生テレビ』で いつも怒っている人

という印象しかなかったが(苦笑)

この人は、この頃から 既に「怒り叫び続けている人」だったのだ。

つまり本気と書いてマジの人だったのだw

渡辺文雄や津川雅彦を共犯者として巻き込んで、自分の思いをスクリーンで代弁させたのである。


そして彼は独立してからも 『愛のコリーダ』や『戦場のメリークリスマス』、『マックス、モン・アムール』、遺作となる『御法度』等、常にセンセーショナルな作品を撮り続け、世に問うてきた。

結局、彼の中での「夜と霧」は晴れたのであろうか…答えはおそらくノーである。

だから彼は松竹を離れてからも、映画で、ドキュメンタリーで、テレビで、その戦後日本の鬱屈とした思いを抱えて声高に吠え続けたのではなかろうか。


大島にとって映画とは、娯楽なのか、芸術なのか、それとも角材や火炎瓶と同じような「武器」だったのか…そんな事を考えさせられた一本であった。


★★★☆☆