現在公開中のスタジオジブリ最新作『かぐや姫の物語』を劇場にて観了。

見る者を閉口させる、あくまでリアリティではなく 映像が持つ圧倒的な「説得力」によって描かれた『竹取物語』の世界と 伝統的な日本人の所作、それと草木や動物 そして日本の四季や風景の美しさを徹底して描いた「自然讃歌」。これぞアニメーションの、映像芸術の極みと言ってもいいだろう。

はっきり言ってしまうと これは間違いなく、怪物・高畑勲監督による怪作であり、最高傑作

宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』、スティーヴン・スピルバーグ監督の『E.T.』と並べても遜色のない 高畑勲の代表作であり、日本人のスーパースタンダードであり、スーパーファンタジーだ。

まるで鳥獣戯画を思わせるような 背景と人物の線画が一緒の「山田くん方式」の作画は ただただ圧巻。ワンカットワンカットがどこを切って取っても、もはや芸術作品の域であると言っても過言ではなかろう。

こうなってくるとストーリーや展開、テーマとかはどうでもよくて(なにせ誰もが内容を知っている最古のSFファンタジーですしw)、そのアニメーションとしての描写力というか前述の「説得力」に、始まってもう3分後ぐらいには泣いていたw そして その後は ずーっと細部だけを見続けていた(故・地井武男の演技も素晴らしかったなぁ)。

本当に日本のアニメが大好きで、見続けていて、心から よかったなーと思えた、至福の1本だ。

是非とも その眼で、劇場で、体感して頂きたい。


で、最後にひとつ言っておきたい事がある。

みなさんは「砂かけばばあ」「子泣きじじい」「一反木綿」と聞いたら、一体どんな画が頭に浮かぶであろうか?

おそらく100人中99人は、水木しげるが描いた妖怪の画を思い浮かべるはずだ。

つまりオイラが言いたいのは、水木しげるという人は、今までは個々の地域の伝承や ぼんやりとしたイメージにしか過ぎなかった妖怪の姿を可視化した、つまり

「日本人が想像する妖怪のフォルムを作ってしまった(決定づけてしまった)人」

なのであるw

それと同じように、この『かぐや姫の物語』が 日本人にとっての『竹取物語』の具体化されたスタンダードなイメージになるんではないかなと思った(まぁそんなような事を あのディズニーは今でも連綿と続けてきているわけですが)。

もしかすると これは高畑勲のとんでもない「最後っ屁」なのかなとw


★★★★★