スピルバーグ、最初で最後のコメディ監督作品(’79年)。

『ジョーズ』そして『未知との遭遇』と世界的なメガヒットを飛ばして一躍ヒットメーカーとなったスピさんが満を持して放った新作は、真珠湾攻撃直後のカリフォルニアを舞台にした「戦争を揶揄したコメディ」だった。

しかし これが興行的には大失敗に終わり、これ以降スピルバーグは監督作でコメディを撮る事はなくなり、作りたいと思った時は 他の監督に譲り「製作総指揮」という立場をとるようになる。 つまりスピルバーグは本作の失敗で「あー、俺ってコメディの才能がないんだなー」と気がついたのである(苦笑)。


で、25年ぶりぐらいに本作を再見して気がついたのは、まず

思っていたよりはずっと面白かった

という事w 

オイラも『1941』は大して面白くなかったという印象があった。だが、大人になって今一度こうして見返してみると

つまらないという事が1周して、もはや面白くなってしまっている

のだ!!(苦笑)

そして 今回見直した事で、このように「戦争を揶揄したコメディ」で 興行的に大失敗をしてしまった作品が他にもう1本ある事に気がついたのであった。それは…

スタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情』だ。

実は本作には『博士の~』での「水爆ロデオ」で一躍有名になったスリム・ピケンズが出演している。
 
 
あと本作が失敗した大きな原因のひとつに

(スピルバーグなのに)やたらと下ネタが多い

というのも挙げられる(しかも結構露骨で下品な)w

実はこれも『博士の~』へのオマージュで、キューブリックは『博士の~』の中に性的なイメージを暗喩的に盛り込んでいる。

いやー、昔一度観た映画もこうして見返してみるもんですね!! だってこういう類似点は見直さないと気づかないものw

ちなみに他にも『プライベート・ライアン』や『ミュンヘン』なんかを観ていると『博士の異常な愛情』にそっくりなカット(オマージュ)があるので、探してみるのも一考かと。


それと今回、もうひとつ気がついた 他作品との類似点も挙げておこう。

スピルバーグと同じように世界中にファンを持つ映画監督で、戦争を批判しながらも 実は戦車や戦闘機等の兵器や戦場での体験談等が三度の飯より大好き…という人物が我が国日本にもいたではないか。

そう、宮崎駿監督であるw

この『1941』は もちろんの事、後に作られる『シンドラーのリスト』や『プライベート・ライアン』等を観ているとわかるのだが、スピルバーグの兵器に対する造形の深さは尋常ではない。

映画好きの戦争・兵器マニアというのは、新作の戦争映画があると必ず劇場まで観に行って「兵器の時代考証等が間違っていないかどうか」というのをまず確認するという 意地悪いあら探しをするものなのだw

しかし、スピルバーグは毎回そうした兵器オタクが舌を巻くほどのマニアっぷりでそれに応えるw

戦争反対の立場をとりながらも、人殺しのための道具への異常なまでの偏愛…そんなところが宮崎駿にそっくりだ。

で、一説によると『1941』を観たスタンリー・キューブリックはスピルバーグに「これはコメディではなく、ドラマとして作った方がいいのでは」と助言したらしい。

そしてこうした反省を踏まえた上で作られたのが『太陽の帝国』であり『シンドラーのリスト』であり『プライベート・ライアン』のような、山田洋次でいうところの『男はつらいよ』に対しての『学校』シリーズみたいな(笑)「シリアス路線」である。 

これは自らの兵器好きに落とし前をつけるべく作られた「遺作」となる宮崎駿監督の『風立ちぬ』にまんま符合するではないかw


あ、キューブリックと宮崎駿の話をしただけで こんなに文字を割いてしまった!!(苦笑)

なので 次回こそは『1941』のちゃんとしたレビューを載せます、ハイw


後編につづく】