※もし読んでなかったら、【レビュー前編】もヨロシクです☆w


スピルバーグの話をしていたつもりがキューブリックと宮崎駿の話になって長くなってしまったので(笑)、ここからは ちゃんと『1941』のレビューやります!!w


まず本作のクレジットを見ると面白い事に気がつく。

脚本のクレジットには、ロバート・ゼメキスボブ・ゲイルの名前がある。

これはまさに あの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』コンビ(脚本)ではないか!!(BTTFはスピルバーグ制作総指揮作品であり、そしてゼメキスの監督としての出世作でもある) 

そして原案のクレジットに『地獄の黙示録』のジョン・ミリアスの名が連なられているのも興味深い(彼は『ジョーズ』の時も脚本のリライトを一部手伝っている)。


それと出演者もジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、ジョン・キャンディ等の『サタデー・ナイト・ライブ』組や、元祖ドラキュラ役者のクリストファー・リー、前回お話ししました『博士の異常な愛情』のスリム・ピケンズ等、出ている人たちも なかなかの くせ者揃いなのだが、その中でも日本人にとっては馴染み深く、特に異彩を放っていたのが

三船敏郎先生

であるw

まぁ誰が見ても山本五十六なわけだが(笑)、本作に出演した経緯が実に面白い。

まずこの前に三船は あるSF映画のオファーを受けていた。

しかし その監督は当時まだ無名であり、「こんな子供っぽい映画になんか出られるか」と三船は そのオファーをにべもなくあっさりと断った。

そして その映画は後に世界的なヒットとなり大成功を収めた。

その作品とは ジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』(’77年)であり、三船にオファーのあった役はオビ=ワン・ケノービだったのである(結局アレック・ギネスが演じた)。

三船は「しまった!!」と思った。まさかこんな映画だったとは…w

で、その直後に今度はスピルバーグからのオファーである。

当時『ジョーズ』と『未知との遭遇』の大ヒットで既に実績もあり、知名度もあったスピルバーグからの出演依頼に三船は二つ返事で了承したのだが

まさかあんなコメディで、しかも大コケするとは…(苦笑)。


しかも作中で日本人は「JAP」と揶揄されている(まぁ奇襲作戦は史実として実際にやった事なので、悪く言われても仕方がないのだがw)。しかし それを額面通りに受け取ってはいけない。あくまで本作はコメディであり、「JAP」と呼ばれるのもギャグのうちなのだ。それにスピルバーグは大の親日家であり、『男はつらいよ』寅さんファンクラブの会員でもあったのだからw

で、『1941』では日本人だけでなく 同軍の黒人兵も露骨に白人から酷い仕打ちを受ける。しかし黒人の顔はペンキで白く塗られ、白人はススだらけになり顔が真っ黒になってお互い笑い合うというシーンがある。

そして敵であるはずの日本軍とナチは ステレオタイプではありながらも 偏った描き方はされておらず、本作ではむしろ愛らしいコメディリリーフのような描き方をされている(もみの木に変装して本土上陸する日本兵たちはかなり可愛らしいので必見☆w)。

それと女の子と一緒にダンスを踊りたい一心の青年が慰問のダンスパーティーに潜り込むために軍服を盗むというシーンがあるが、それは「制服は権威(でしかない)」という事を意味している。

つまり揶揄されているのは、アメリカ人(軍)の方なのだ。

「みんなバカばっかだ!!」と嘆きながらも、映画館で『ダンボ』を観ながら泣いている司令官が まさにその代表格と言えようw

今見直すと そこそこ面白い『1941』が何故に当時興行的に大失敗をしたのか…それはこうした非愛国的な内容(といってもブラック・ユーモアなのですが)がアメリカ人にとっては面白くなったというか、むしろ腹立たしかったのかもしれないw

ちょっと出てきた時代が早すぎたのかなぁ?w まぁ、逆に愛国心丸出しで押しつけがましいオリバー・ストーンとか、ローランド・エメリッヒの映画の方が日本人(アメリカ人以外)にとってはつまらないけどね(苦笑)。


それとまるで日本の特撮映画のような 当時のハリウッドの街並みをかなりリアルに再現したミニチュアセットや、円谷英二のように吊りで飛ばしているのにもかかわらず 何故だかクルクルと旋回する戦闘機の描写(合成ならまだしも、あれだけは今見てもどうやって撮ったのだかよくわからないw)など 『1941』には見返す要素がいっぱいあるので、今こそ再見・再評価の価値があるかと。

そして あのスピルバーグでも失敗をし、それをバネにして今日があるという事を忘れてはならないw


で、最後に映画の豆知識を。本作では砂埃で真っ白になったサイドカーに乗った伝達兵が出てくるが、あの役を演じたのはジョン・ランディス監督である(ほとんど顔は見えずw)。

そしてスピルバーグは後にジョン・ランディス監督の『ブルースブラザーズ』で サンドイッチを食べている納税課の職員の役でカメオ出演しているw

まるで返歌のような関係…持ちつ持たれつなんですね、映画の世界ってw


★★★★☆