スピルバーグ監督作品レビュー、今回は『オールウェイズ』です。

オードリー・ヘップバーンが最後に出演した映画という事で有名な作品ですが 今回初見でして、あまり予備知識をつけないで観てみました。

今回は「大人のファンタジーメロドラマ」という新たなるジャンルに首を突っ込んだスピさん、実はこの『オールウェイズ』には元ネタがある。

1943年、ビクター・フレミング監督による『ジョーと呼ばれた男(A Guy Named Joe)』という作品。脚本は なんとダルトン・トランボだ。

主演のリチャード・ドレイファス『ジョーズ』『未知との遭遇』以来3度目のスピルバーグ監督作品出演。

この当時リチャード・ドレイファスは逆算すると41~2歳のはずなのだが、それにしてはえらい老けた見た目だったよね(苦笑)。やっぱりハゲ&ヒゲのせいなのかなぁ?w

スピルバーグは『未知との遭遇』の主人公が家族を捨てて異星人と共に宇宙へと旅立っていくラストシーンについて後年後悔していたそうだ。やはり自分も所帯を持つようになり、その身勝手さに「いや、それはないだろう」と述懐したのであろうw

それはコドモオトナだった過去の自分への決別であり、この『オールウェイズ』とは まさにそのスピルバーグの決意表明であり、リチャード・ドレイファスに対しての償い映画でもあったのだろうw

こうした「自分への落とし前(をつける)」というスタンスは まるで宮崎駿監督『風立ちぬ』のそれとそっくりだ!!(←なんかスピルバーグというと ついこの宮崎駿ネタを絡めたくなってしまうのだが、実際そうなのだから仕方ないw)

しかも かつての「華麗なるヒコーキ野郎」どもが出てくるというところは 『紅の豚』にも酷似しているw

守護霊が出てきてうんぬんかんぬんといえばオイラは洋画の『ゴースト』とかよりも、邦画の『四月怪談』とか『ふたり』とかを思い出した。『オールウェイズ』を観ていたら、こっちも久しぶりに観たくなったなぁ~w

それと見ていて気がついたのだが、おそらくスピルバーグ作品ではあまり見た事がない「猫」が出ていた。

それはヒロイン(ホリー・ハンター)の飼い猫なのだが、名前が「リンダ・ブレア」(『エクソシスト』の子役で有名な)でワロタ!!wwww しかもほんとちょっとしか出てこないしw

劇中ではプラターズの『煙が目にしみる』が ベタではあるが、効果的に使われている。ラストも結構素直に泣けた。 なかなかの良作なんだけど、やっぱスピルバーグ作品の中にあっては地味な存在ではあるよねw 撮影も常連のアレン・ダヴィオーじゃなかったしなー。

で、これでちょっと路線変更が失敗した感じのスピルバーグは(苦笑)、その後は『フック』、『ジュラシック・パーク』と作風をまた おこちゃま路線に戻しているw

あー、でもあともう1回ぐらいスピルバーグとリチャード・ドレイファスのコンビって見てみたいよね☆w


★★★★☆

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【悲報】

これまでたくさんスティーヴン・スピルバーグ監督作品を観てレビューしてきましたが

この『オールウェイズ』は1989年の作品。

つまりこの時点でまだ

80年代までの作品を消化したに過ぎないのだ!!w

まだまだ先は長いねぇ~(苦笑)。スピルバーグは活動期間のわりには多作だからなぁ~。

という事は次回からは90年代以降のスピルバーグ監督作品の紹介となります。

楽しみにしていてくださいねぇ☆