アン・リー監督の『ブロークバック・マウンテン』を観る。

冒頭、ワイオミング州 ブロークバック・マウンテンの美しい景色が延々と映し出され、観る者を陶酔へと誘う。

そして30分後、物語は「ホモォ」な展開になっていくw

でも観て続けていくと これは単純なゲイ・ムービーではない事が分かってくる。

というのも、この男同士の関係を持ってしまった二人は 後に妻子を持つ事となるのだが、その後もその関係が約20年続く事になるのだ。

男同士の友情、郷愁、家族・コミュニティーの問題…この映画を観ていると自由の国と呼ばれているアメリカでも まだまだ封建的であり、差別や迫害も多いのだなと考えさせられる。特にこの話の舞台となっている60年代から80年代で、アメリカ西部ともなるとなおさらだ。

日常から逸脱する恐怖に怯えつつ、貧困という現実に打ちのめされている主人公・イニス(ヒース・レジャー)が放った

「俺はこの生活から逃げられない。生きていくことで精一杯だ…」

という台詞が四十路の独身男である自分にはグッと胸に突き刺さった(苦笑)。

ゲイであるかノンケであるか、そんな事は関係なしに 誰しもが心の中に自分のブロークバック・マウンテンを持っているのではなかろうか。

美しい風景と人間の本質を非常に丁寧に描いたアン・リー監督の今後にも注目です。


★★★★☆