そういえば去年の今頃に『ルパン三世 カリオストロの城』の作品分析をしたのを思い出した(ブログ未発表)。

そこであらためて分かった事があるので、今回ここに記しておく。

まず この『ルパン三世 カリオストロの城』という作品は 3つの縦軸で構成されている。それは

カリオストロ伯爵への復讐(ゴート札の真偽)

クラリスの救出(青二才だった頃に命を救ってもらったお礼)

指輪の謎(隠された財宝の発掘)

で、ある。

話が進むにつれ その謎は徐々に明らかとなり、ラストには この3つの謎(軸)が一気に解決を迎え、大団円のうちに物語は終了する。

つまり得られるカタルシスも3倍というわけなのだ。

だからカリ城は見終わった後に清々しいのだw


それと作品分析という事で語っておきたいのは

『ルパン三世 カリオストロの城』という物語は 一体何だったのか

という事。

オイラから言わせたらカリ城は、ルパンとクラリスの恋愛物語でも、ルパンと伯爵の確執の物語でも、ルパンと仲間たち(次元・五ェ門・不二子)の友情物語でも、ルパンと銭形の敵味方を超えた結びつきの物語でもない。カリ城とはズバリ…

ルパンの過去(の精算)と現在の物語

つまり 青二才だった頃の自分と決着というか決別するために、この復讐劇に自ら乗り込んでいったルパン三世という人間の個人史なのだ。

高級スポーツカー・ベンツSSKを乗り回し、カリオストロ伯爵に煮え湯を飲まされた過去の若かった自分を否定し、現在はイタリアの大衆車・フィアット500に乗り、カップうどんをすする おっさんルパンという…まぁなんとも枯れた話なのであるw


そして今回こんな面白い仮説も立ててみた。それは…

もしも ルパン三世という物語を全く知らない人が 初めてカリ城を見たらどう思うのか

というものだw

まぁこのブログを読んでくださっている人のほとんどが 子供の頃からルパン三世をテレビ等で何度も繰り返し見ていて、そのストーリーや人間関係・キャラクターを知った上で カリ城を見ているのだと思うのですが、果たして そうした予備知識がまったく無しにカリ城を 一本の映画として観る事は可能のか…つまり、そうした観客を想定して宮崎駿はカリ城を作っていたのかどうかというのをこれから検証してみたいと思うw

まずは次元大介から。

次元といえば、「射撃の名手」だ。

もちろん初めてルパン三世を見る人はその事を知らないわけなのだが、冒頭 追っ手の車のタイヤに次元が357マグナムを撃ち込むが防弾タイヤで跳ね返されてしまい、その後 特殊な徹甲弾のような弾一発で見事仕留めるという名シーン…つまりこれだけでこいつは防弾タイヤも撃ち抜くような拳銃を使う奴なんだな」という事は充分に分かるw

それと このカーチェイスシーンで もうひとつ示しているのは、テレビシリーズでも幾度となく出てきた「ルパン三世は無類のカーレース好き」という基本設定だ。

そして五ェ門は見せ場が少ないのだが、火の粉のついたルパンの衣服だけを刀で一瞬のうちに切り裂き、あの「またつまらぬ物を斬ってしまった…」という名台詞を吐かせた。まぁそれだけなら ただの器用な侍で話は終わってしまうのだが(笑)、その後 次元のマグナムをも跳ね返したカゲたちの鋼鉄の鎧もバッサバッサと一刀両断にしてしまう。これで「なんでも切れてしまう」斬鉄剣の使い手であるという説明が終了w

で、不二子の見せ方は実に巧い。劇中「時には味方、時には敵、恋人だった事もあったかな?」と台詞での言及もあるのだが、ルパンが窮地に立たされ指輪を差し出さなければならなくなった時に不二子がクラリスに放った

「襟の裏よ。ルパンはいつもそこに隠すわ」

という台詞が とんでもなくエロいw 

これだけで おこちゃまのクラリスには到底理解できない、ルパンと不二子のただならぬ「男女の関係」がよく説明されている。

襟の裏に盗まれてはいけない大事な物を隠す事を知っているというのは、服を脱がせた事がある人間にしか分からない…つまりそういう関係であるという事を暗に示しているわけだ。

こうしてあらためて注意深く見てみると、宮崎駿はいちげんさんの観客にも充分ルパン三世の世界観を理解できるように、一本の映画としてカリ城を作っている事がよく見て取れる。


では 続いて論ずるのは…

果たして『ルパン三世 カリオストロの城』には穴はないのか問題

だw

約100分というフォーマットで宮崎駿が描いた 凝縮されたルパン三世の世界観、前回から自分はカリ城の事をずーっと褒めちぎっているが、冷静に見て物語としておかしなところがないか…ちょっと検証してみたw

まずおかしいのは カリオストロ伯爵とカリオストロ公国についての謎である

カリオストロ伯爵は ふたつのカリオストロ家に代々伝わる指輪の言い伝えの事を知っており それがお宝の鍵となっている事まで知っているというのに、その謎解きの方法と 肝心な お宝の正体について何も知らないという大マヌケっぷりwwww

それなのに わざわざ政略結婚までして指輪を手に入れようとしているのである。

でも その謎は あっけなくルパンが解いてしまったわけで、結局 天敵であるルパンがいなかったら分からずじまいだったじゃんというw

それと気になったのは、偽札造りが小さな公国の経済を支えるために果たして効率の良い事業なのかどうかという問題wwww

ICPO本部では、某国が仮想敵国の経済を混乱させるために偽札を大量発注しているのではないかみたいな説明がなされていたけれど、そんな事大胆にやってたらすぐにバレるんじゃね?…とw それといくら国として資源(観光資源も含む)がないといっても、偽札造りの方が圧倒的にコスト高だと思うんだけどねぇ。いくら太古の昔から偽札事業に取り組み、歴史の裏舞台で暗躍していたとはいえ。現代の経済の規模では現実問題無理っしょ!!w


まぁ他にも語りたい事は まだまだいっぱいあったんですけどねぇ。

たとえば

カリオストロ伯爵=ゲイ説

とか(笑)

ルパンと銭形が脱出した先が何故 棺桶だったのか

とか(この上記2つは先日思いついたばかりw)

カリオストロ家の青い陰(影)の話

とか

ルパン三世と機動戦士ガンダムの関係性

とか…。

でも それはまたの機会にとっておきたいと思いますwwww


ではでは、長々と2回に分けて語ってまいりましたが 今回はこの辺で。

ご静聴ありがとうございました☆