東映、’75年作品。

『仁義なき戦い』に続いて作られた実録ヤクザもの。

要は主人公をヤクザから親方日の丸の警察権力側に変えて描いているだけで、むしろヤクザと癒着している悪徳警官の方がタチが悪いというような話だ(苦笑)。まぁ紙一重って事ね。いっその事『仁義なき県警対組織暴力』っていうタイトルにすればよかったのにw

しかし『仁義なき戦い』シリーズがあまり好きではないオイラからすると、こっちの方が面白かった。という事は『仁義なき~』シリーズ好きな人からしたら本作はつまらないのだろうか。気になるところだ。だが相変わらず首チョンパのシーンは健在だった。さすが、深作のキンキンであるw

あと気になったのは『仁義なき~』シリーズもそうだけどさぁ、こんな実録もの作っちゃって これでかなり広島県のイメージが悪くなっているよねぇ? なんか映画の功罪というものを考えさせられてしまったよ。

そしてやがてヤクザ映画ブームも終焉を迎え、東映は『トラック野郎』シリーズという同じく菅原文太を主演としたコメディ路線に転向し、松竹の寅さんとタメを張る事となる。しかしこちらは仁義ある」世界の物語なのであるw


先日高倉健が亡くなり、それを追うようにして同じく東映のヤクザ映画で のしあがった菅原文太までもが亡くなってしまった。

それこそ映画の中では何度も人を殺め、スケをいてこまし、スピード違反も荷抜きも上等な いわば「犯罪者」の役を演じ続けた文さんなわけだが、3.11をきっかけに役者を廃業してしまった。俳優・菅原文太に未練はなかったのだろうか。

きっと反原発を謳い今の日本の状況を憂っていた彼からしたら、演技とはいえ今まで自分がやってきた事に対して思うところがあったのかもしれない。

とにかく東映の新旧ヤクザ映画を牽引してきた、最後の銀幕のスタアが逝ってしまった。

これでひとつの日本映画の時代は終わってしまったが、オイラにはまだまだ観るべき過去の作品が山のように残されているので、この場を借りてこれからも紹介できればと思っております。

合掌。


★★★☆☆