まず見終えて思ったのは

あの任天堂のファミコンソフト『スパルタンX』みたいな格闘シーンは出てこないじゃん!!

というのと

故・三沢光晴の入場テーマ曲である『スパルタンX』が劇中掛からないのかよー!!

という2点w

まず種明かしをしておくと、TVゲーム『スパルタンX』は一応キャラ設定だけは映画から引き継いではいるが、内容は全くの別物。ボスと闘って階上へと登っていくという設定は どちらかというとブルース・リーの『死亡遊戯』的だw

そして 三沢光晴の『スパルタンX』の件だが、そもそも日本で公開された当初には あのテーマ曲がラストに使われたらしいのだが、後にビデオの権利が変わり再発された際にオリジナルの香港公開版が収録されるようになった…という顛末だ。ちなみに日本公開版で流れた あのテーマ曲を作ったキース・モリソンとは、木森敏之という日本人作曲家である(’88年没)。余談だが、横浜ベイスターズ在籍時の仁志敏久の出囃子もコレだったなー(三沢の死後に変更。まぁ元巨人で全日・ノアとは読売・日テレつながりで仲が良かったのであろう)。


で、ここからようやく映画『スパルタンX』の話であるw

前作『プロジェクトA』と同様、ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、そしてサモ・ハン・キンポーのゴールデン・トリオによるアクション大作であり、全編スペインロケという意欲作にもなっている。

『キャノンボール』シリーズもそうだが、やはり80年代にこうして東洋人が海外で活躍・大暴れするという作品というだけでも当時は胸熱だったに違いない。松田優作や渡辺謙がハリウッド映画に進出するずっと前の話だ。

監督は出演もしているサモ・ハン・キンポーである。演出の手腕はなかなかのもので、感心しながら観ていた。純然たるアクション映画ではあるが、カンフー要素は薄まって エンタメ作品としての完成度がより高まっており、ジャッキーやユン・ピョウの良さを充分に引き出す事に成功している。それとクライマックスのジャッキーと元キックボクサーのベニー・ユキーデ(クリスチャン・スレーター似w)とのアクション・シーンは かなりガチな総合格闘技な感じで見応えがある。

しかし探偵役を演じていたサモ・ハン、チリチリ頭に丸縁のサングラスって…もしかして松田優作の『探偵物語』の影響だったのかしら?(もしかすると探偵という事はマイケル・ホイの『Mr.BOO!』の影響かもしれないがw)

あと本作ではユン・ピョウが結構おいしい役で活躍している。特にメガネを掛けた姿が可愛らしく、柴田恭兵というよりは 大江千里風味で(笑)、その甘いマスクで80’s女子のハートを鷲掴みにしたw

特にカーアクションにも力が入っており、『キャノンボール』シリーズのハル・ニーダム監督へのリスペクトと色濃い影響が感じられた(劇中、三菱スタリオンが登場するという『キャノンボール2』へのオマージュも有り)。カンフーだけではなく、世界に通用する総合的なエンタメ・アクションを目指していた事が伺える。

それとスパルタン号(キッチン・カー)もメカ好き男子の心を鷲掴みだ(っつーか、タイトルの『スパルタンX』って車の事だったのかよ!!w)。あのコンピューター制御でトランスフォームするところなんて今見てもちょっとカッコイイ☆w まぁ当時は『西部警察』とかもあったしねぇ~w


で、最後に気になった点をひとつ。ユン・ピョウのお父さんとヒロイン(ブルック・シールズ似w)のお母さんが精神病院に入院しているというくだりがあるのだが、日本公開時あれが許されて同じく精神病棟を舞台とした『Mr.BOO! 天才と白痴』が公開されなかったというのは どうも納得がいかない(後に『Mr.BOO! 天才とおバカ』のタイトルでDVDソフト化され、ようやく日本でも観られるようになった)

でもそれは 当時ジャッキー映画がそれを吹き飛ばすだけの人気があったという事の裏返しでもあるのだが。


★★★★☆