おそらく『ミンボーの女』公開時に襲撃事件で入院した際の経験や伊丹の死生観が盛り込まれた作品(しかしよくよく調べてみたら、本作は襲撃事件以前に企画されていたものだとの事)。
 
宮本信子主演作品が続く中で、本作で宮本は控えめな(伊丹十三夫人的な)演技で助演にまわっており、主演の三國連太郎と津川雅彦の名演技合戦が楽しめる一作。
 
そして伊丹組常連の高瀬春奈のエロさが作品に華を添えている(それにしても伊丹作品にはよく「愛人」が出てくる。だからこそ色々と疑われたわけだがw)。それと木内みどりの婦長役もびったしハマっていた。

かつてマーティン・スコセッシ監督は「私はカメラの横で死ぬだろう」という名言を吐いた。
この三國演ずるガンで余命幾ばくの映画監督兼俳優と刃を向けられた伊丹も同じ思いだったに違いない。だからこそ あの伊丹の「死」には疑問が残るわけだが…。


★★★☆☆