何度も観て わかっていても同じところで笑ってしまう。
 
『タンポポ』は何が凄いって、この「ラーメン・ウエスタン」的発想をもってすれば 同じようなウェルメイドな作品がいくらでもつくれるというのに、伊丹十三はそれをしなかったという事だ。これ一回限り。だから『タンポポ』は今も輝き続けている。そして観るたびにウットリとする映画だ。そして必ず腹が減るw

たいめいけんのオムライスも 韓国の骨付カルビも 北京ダックの食べ方もこの映画で学んだ。それと複数のエピソードが同所同時間軸で同時進行するという構成は『パルプ・フィクション』なんかよりも全然早い。ラーメンブームも90年代に入ってから。そう考えると全てが早かった。
つまりここから「時代を牽引する」伊丹映画の快進撃が始まったのである。

ちなみに本作では映画監督の藤田敏八が役者として出演している(歯医者に行く男の役だ)。そして『スローなブギにしてくれ』では伊丹が出演。まるで『1941』(スティーヴン・スピルバーグ監督)と『ブルース・ブラザーズ』(ジョン・ランディス監督)のような関係であるw これぞまさに映画が織りなす円環なのだ。


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