いまさらと思われるかもしれませんが、新海誠監督の『君の名は。』を劇場で観てきました。


実は新海誠監督作品を観るのは今回が初めてだったのですが、下馬評通りというか、興行収入130億円は伊達ではないというか、まごう事なき傑作でした。観て泣いた映画は今までゴマンとあるけれども、ハンカチはぐっしょり、もう泣き疲れてグッタリして頭は真っ白、完全に脱力してしまった映画は初めてかも w

『君の名は。』は もはやスポーツですよ、オイラから言わせたら。観賞というよりは 汗の代わりに涙を流すスポーツw

 

で、こんな事を言ったら不謹慎と思われるかもしれないけれど、もう新海誠がいるんだったら宮崎駿はいつ死んでもいいなと正直思った。もしかすると個人的にはジブリ作品よりも好きかも。

というのも、これはオイラの憶測なのですが新海監督は ものすごく意識的に「ジブリ的」なものを排除してこの『君の名は。』を作ったのではないかなと(とはいえ、過去の映像作品へのオマージュも多々あったかとは思いますが)。

そして観たかどうかはわかりませんが、もし観ていないんだったら 鈴木敏夫は宮崎駿に『君の名は。』を観せてほしい wそして嫉妬してもらいたいんだよね、オイラとしては。「こんなの俺には作れない」とw


そしてネタバレになるので内容についてはあまり細かくは話せないのですが(本作は全編がネタバレみたいな映画なんでw)、これは「つながり」の物語だ。そういった意味でも、宮崎駿から新海誠への「糸」はつながりバトンは渡されたのかなとも思った。

宮崎・富野・押井・庵野が20世紀と21 世紀をまたいだアニメ界の巨人だとしたら、新海誠は本作で21世紀を代表する最初のアニメ監督の切符を手に入れたと言えよう。そして自分と同世代にこうした監督・クリエイターが出てきた事を誇りに思いたい。


それとこういうヒット作なんでアンチも多い事かと思う。まぁ確かに作品にまったくもって穴がないとも言えないし。

でもこれが「つまらない」と思う人は映画を観る必要のないリア充だと思うし、つまらないと思うのならば二度と観なければいいと思う。ただそれだけ。

それと映画というのは「映画らしいワンシーンなりワンカット」がひとつでもあれば、それだけで「映画」として立派に成立するものだと思っているし、仮に穴があっても 以上のような形で成立しているのであるならば、観ていても それほど気にはならない(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズなどもそのいい例だ)。


この『君の名は。』が リピーターも多く大ヒットした要因は きっとこれを観て「あ、これは俺の、私の(ための)映画だ」と思った人が大多数いたからなんだと思う。

自分は学生の時分にスコセッシやキューブリックの作品を観た時にそう思った。

だからこそ、この『君の名は。』も今の若い観客たちにとっても「愛すべき作品」として これからも長く残ってほしいなと思った。

それと他の新海監督作品もこの機会に観てみたいです。


★★★★★