ジョン・マルコビッチ主演『アイ・アム・キューブリック!』(日本劇場未公開)を観了。


キューブリック信者なのでキューブリックと名のつくものはとりあえず観ておこうと思い観てみたのだが…まぁはっきり言って酷かった(苦笑)。これなら『ROOM237』の方が笑える分まだマシだw


スタンリー・キューブリックを名乗る男が甘い言葉と誘惑で次々と人を騙し、たぶらかし、金をたかるという、要はアル中でゲイの詐欺師の話。

大したオチもないのでこれがこの作品の全てだ。だからもうこれを読んだあなたはこの映画を観る必要はないw


酷い話だなぁと思ってよくよく調べたら、なんとこれは実話を基にした話だったw アラン・コンウェイという実在したキューブリック詐欺の男の話。なるほど、実話だからどおりでオチもカタルシスも無いわけだw しかもこれを監督したブライアン・クックとは『バリー・リンドン』や『アイズ・ワイド・シャット』で助監督を務めた人物で、脚本のアンソニー・フルーウィンは長年キューブリックの個人アシスタントをしていたというではないか。

要は身内で寄ってたかってこんな映画を作っているのだ!!(苦笑)

まぁ実話だからどうしようもないと言えばそれまでだが、これまでに愛がなく感情移入ができない映画も珍しい。それと何故にジョン・マルコビッチほどの名優がこんな映画に出てしまったのかも最大の謎wwww

劇中では『美しき青きドナウ』や『灯台守と結婚したい』そしてウォルター(ウェンディ)・カーロスによるスコア等、キューブリック作品のサントラからバンバン借用していたが、映像に関してはキューブリックに捧げたオマージュ的なものは ほとんど無し(オープニングとラストだけちょっと『時計じかけのオレンジ』っぽかったが)。まさに「死人に口なし」だからこそできた映画だろう。


まぁキューブリック好きの人は観ない方が身のためですよ(苦笑)。

でもこの作品、キューブリック本人が監督したら最高に面白かったかもねwwww

ちなみに実在の詐欺師 アラン・コンウェイが心臓発作で亡くなった3ヶ月後にキューブリックが亡くなったという。なんたる皮肉…。


★☆☆☆☆