クリント・イーストウッド監督・主演の映画『運び屋』観了。

これは悪銭身につかずとか 因果応報とか、そういう話ではない。
家族を蔑ろにしてきた見栄っ張りな老人にも、麻薬カルテルの売人にも、そして麻薬捜査官にも、生きていくためにやるべき事があり、日常や生活がある…それらを並列に描いた作品だ。

まぁ実話が元になっているので地味な話ではあるのだが、題材(脚本)が良ければ何でもやるし、この役は自分がやった方がいいと思えば 一度はやめた俳優業も復活するしね。イーストウッドは本当に映画を作る事が面白くて楽しくて仕方ないんだろうなと。それが画面からビシビシ伝わってくるから最後まで退屈せずに観られる。そして余計なシーンは大胆にバッサバッサと切ってテンポ良く見せているのもイーストウッド監督作の特徴だ。なので早撮り→多作でもあるのだが、彼が監督をやりながらも役者としてできるのは それだけイーストウッド組(スタッフ)のチームワークが鉄壁なんだろうなと。

以前『グラン・トリノ』評の時にも言ったけど、イーストウッドはもう黒澤・フェリーニ・ゴダールなんかと並べて語ってもいいと思うよ。アメリカ映画を代表する大巨匠と言っても過言ではないかと。

で、今回は多田野曜平の日本語吹替版で観たんだけれど、これも非常に良かった。まぁできれば老成した山田康雄の声で聞きたかったなぁっていうのもあるけれど。

★★★★☆

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