キューブリック作品に通底するキーワードのひとつに「性的モチーフ」が挙げられると思うが、それと同じくらい頻出する場面がある事に気がついた。それは


「トイレ」


だ。


『シャイニング』には 表側からは見えない裏の(血に染められた)部屋として真っ赤なトイレットルームが出てくるし、『フルメタル・ジャケット』でゴーマー・パイルがハートマン教官を殺し 自害したのも、『博士の異常な愛情』でリッパー将軍が拳銃自殺を遂げたのもトイレだった。


おそらくキューブリックが描き続けたトイレとは「孤独の間」のイメージなのであろう。


人は生を授かり たったひとりで死んでいく。日常において誰にも見られず 孤独で居られ、己をさらけ出せる場所それこそがトイレなのだ。


で、ここでまたも映画『ジョーカー』の話なのだが()、この作品にも重要なポイントでトイレが何度か出てくる。


トイレとは通常ひとりきりの空間だが、複数名いる場合そこでなされる会話は外には漏れない「秘密の話」だ。


『ジョーカー』というとあからさまなスコセッシ・オマージュの方に目が行きがちだが、キューブリック作品との共通性も他にもいくつかあるので、そこに注視して観ても面白いかと思う。


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