かーやん☆ブログ

DJ karyangという名でDJもしております。何卒。

(ここであえて)スピルバーグ宣言!!

ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク

『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』を初めて観た。

ご存知の通り、空前のヒット作『ジュラシック・パーク』の続編なわけだが、意外に思うかもしれないが 実はスピルバーグが監督作で続編を作ったのはインディ・ジョーンズシリーズ(計4作)と このジュラシック・パークシリーズの2作品だけだ(3作目は製作総指揮のみ)。まぁ製作総指揮作品には続編ものが多いので混同してしまうのは無理もないのだが(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『グレムリン』等)。

今回は手っ取り早く結論から申し上げよう。

本作は前作以上に スピルバーグ版『ゴジラ』であり、ジェイソン(『13日の金曜日』)なのであるw

巨大で凶暴な肉食獣・Tレックスが文明社会で大暴れし、破壊する様を描きたい…普段 続編をあまり好まないスピルバーグ(インディ・ジョーンズシリーズは どちらかというとジョージ・ルーカスの色も濃いので)を駆り立てたのは これに尽きるのだと推測する。

それと Tレックスのオス(お父さん)が船で連れ去れ、都会の見世物小屋(パーク)に送られるというプロットから容易に想像できるかと思うが、これは怪獣映画の原点『キングコング』へのオマージュでもあるわけだ。

そして この『ロスト・ワールド』公開の翌年に 悪名高きローランド・エメリッヒ版の『GODZILLA』が封切られた。

なんかここまでやるんだったら別にスピルバーグに『ゴジラ』を撮らせてやってもよかったんじゃね?…とか思ってしまうのだがw

あと古代の恐竜が大都会で大暴れ…というストーリーでふと思い出したのが『13日の金曜日 PART8 ジェイソンN.Y.へ』であるw

Tレックスもジェイソンも 要は

おのぼりさん

なのだwwww

「せっかく田舎(孤島)から来たんで、
ちょっとサンディエゴを観光してみました~」的なw

で、今回は前回以上にバンバン人が食われるのでホラー要素もかなり高く、幼い子供が観たらトラウマ必至な内容だった(苦笑)。

もうここまで来ると立派な

グルメ映画

であるwwww しかも食人限定の(いや、犬も食ってたなw)。


あ、そういえばグルメで思い出したけど、本作でヒロインを演じていたジュリアン・ムーアは『ハンニバル』にも出てたな。『ハンニバル』といえば食人…でもあるのですが(苦笑)、言わずと知れた『羊たちの沈黙』の続編なわけで(ジョディ・フォスターの代役を務めた)、この『ロスト・ワールド』も続編でローラ・ダーンの代わり…そう考えるとジュリアン・ムーアって相当な便利屋だよなwwww いい役者なんだけど。

で、話をホラーに戻すが、恐竜狩りのシーンにまたスピルバーグの鬼畜っぷりが実によく出てるんだよなぁ~w どうしても恐竜を虐待(捕獲)するシーンの方が活き活きしちゃうというか(苦笑)。それとそこで出てくるやたらとメカニカルな狩猟用のジープとか必要以上にカッコイイの!!w 結局『シンドラーのリスト』でホロコーストを描いても彼の病気(残虐嗜好・メカ好き)は ちっとも治っていなかったwwww


んでもって 今回も『ジュラシック・パーク』の時と同様にタイム計測をしてみたのだが、そこで興味深い事実が判明したのだった。

冒頭トカゲみたいにちっこくて可愛らしい恐竜がいきなり出てくるのだが(しかし実は結構エグい肉食獣である事が後に判明w)、それから大ぶりなステゴザウルスが姿を現すまでに映画開始から22分、そしてお待ちかねのTレックス登場までが54分(本編の約中間部)…と見せ場の構成が前作の『ジュラシック・パーク』とほぼ一緒だったのだw


それと最後に語っておきたいのは 撮影監督のヤヌス・カミンスキーについてである(注:オイラはどちらかというとスピルバーグ好きというよりは ヤヌス・カミンスキーのファンなので、これからこのレビューではよく名前が出てくるかと思いますので何卒ご承知の程をw)。

前作『シンドラーのリスト』に続いての登板なわけだが、『シンドラーのリスト』のような重厚感のある文芸的な映画とはまさに対極に位置する 真の娯楽映画である本作でもヤヌス・カミンスキーが抜擢されたというのにはまず スピルバーグからしたら自分にオスカーをもたらしてくれたキャメラマンだから絶対に手放したくない」という気持ちがあっただろう(ちなみに前作『ジュラシック・パーク』の撮影監督は バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズも手掛けた ディーン・カンディ)。で、現に『シンドラーのリスト』以降のスピルバーグ監督全作品で彼は撮影監督をしている。

そして前作『ジュラシック・パーク』との映像の整合性というのもあるので、よく見てみるとカミンスキーがスピルバーグ(もしくはジェーン・カンディ)の作風にかなり寄せて撮っている事がわかる。

一見地味ではあるのだが、雨が降りしきるナイトシーンで、外からトレーラーの割れたフロントガラスに、そして車内の奥の方へとワンカットでググッとキャメラが入り込むシーンや、崖から人間と一緒にキャメラが滑り落ちるシーンなどで カミンスキーの非凡なテクニックを垣間見る事ができる(まぁ今ではオールCGによる加工や、デジタル化された小型カメラで何でも簡単にできるようになってしまったが)。

しかし高水準のスピルバーグ監督作品の中にあって、ちょっとアベレージ低めの作品だよね。実際『ジュラシック・パーク』ほど話題にもならなかったし、前作以上に設定にも無理があったし…まぁその程度の作品でした、ハイw


★★★☆☆

シンドラーのリスト

スピルバーグ監督全作品レビューも ついにここまで来た。

スティーヴン・スピルバーグ監督のキャリアを 世界的な大ヒット作となった『E.T.』までが第1期、そして3DCGによって革新的な映像表現にまで達した『ジュラシック・パーク』までを第2期とするならば、 この『シンドラーのリスト』は まさに第3期のスタートといえる作品であろう。

これが大きな転機になった理由はいくつかあるのだが、まず本作で念願のアカデミー賞を受賞する事ができたというのがひとつ(作品賞、監督賞他 計7部門で受賞)。

それと今までアレン・ダヴィオーやヴィルモス・ジグモンド等の名キャメラマンと組んでやってきたスピルバーグだが、この『シンドラーのリスト』では ポーランド人の撮影監督 ヤヌス・カミンスキー(彼も本作でアカデミー撮影賞を受賞)を初めて迎え入れ、その作風は劇的な変化を遂げる事となった。その後 カミンスキーは なんとこれ以降のスピルバーグの全監督作品で撮影を手掛ける事となり、現在もスピルバーグの右腕として活動をし続けている。つまり これにより今まで固定されていなかったスピルバーグ作品の画風を決定づけ、なおかつ格を底上げする事となり、それがオスカー獲得に繋がったのだ。

そしてユダヤ人としてナチズムやホロコーストを真正面からきっちりと描くという使命感から作られているというのも本作のポイントだ。 かつて『1941』を撮った時にスタンリー・キューブリック監督から「これはコメディはなく、ドラマとして撮るべきだった」と助言を受けていた。宮崎駿が自らの兵器ヲタっぷりに落とし前をつけるべく 最後の作品として『風立ちぬ』を作ったように、スピルバーグも「ユダヤ人なのに旧ドイツ軍の兵器が大好き」というアンビバレンツから脱却するためにも本作を撮る必要があったのだw もしかするとスピルバーグは、戦争をネタにして特需で大儲けしようとしていた野心家 オスカー・シンドラーと、ナチスをネタに映画(『1941』や『レイダース』等)を撮っていた罪深い自分自身をダブらせていたのかもしれない。ちなみにキューブリックは『アーリアン・ペーパーズ』というホロコーストを題材とした作品を撮る準備をしていたのだが、先に『シンドラーのリスト』をスピルバーグに作られてしまったので、制作を断念したという逸話がある。


では ここでヤヌス・カミンスキーによる撮影についての話をしておこう。

まず本作で特徴的なのは、まるで黒澤映画のように重厚感のある ほぼ全編に渡るモノクロ映像だ。最初と最後だけはカラー映像、それと劇中にパートカラー部もあるのだが、そのパートカラーのシーンの蝋燭の炎と 少女が羽織っていたコートの色はいずれも「赤」…これは黒澤明監督の『天国と地獄』からの引用だ。そして この「赤」とは まさに「希望」の象徴である。

それとゲットーの解体や大量のユダヤ人の遺体を掘り起こして焼却するシーン等で多用された手持ちカメラ(アリフレックス)によって撮影された 手ブレやハイシャッタースピードによる臨場感のあるドキュメンタリー風の画には世界中が驚かされた。それは今までスピルバーグが培ってきた映像表現とは全く異なるもので、それはまるでピューリッツァー賞を受賞した「サイゴンでの処刑」のワンショットのように淡々としたリアリズムを追求したものであった。しかしまさかこんなところでホラー映画好きなスピルバーグの悪趣味残虐演出が活かされる事になるとは…w

で、そのリアル演出の極みが シンドラーの工場で働いていたユダヤ人の女性工員たちを乗せた貨車が手違いによってアウシュビッツに着いてしまうシーンである。というのも このシーンでは何の説明もないのだが、映像とジョン・ウィリアムズの音楽(バイオリン・ソロはイツァーク・パールマンによるもの)だけでアウシュビッツの陰惨さが表現されており、明らかに場違いな寒々とした空気感や緊張感がビシビシと伝わってくるのだ。断髪され衣服を全て脱がされた女性たちが次々とシャワー室に押し込まれ、見る側が「ああ、ここはガス室なのか…」と思っていると突然室内の照明がバンと落ち、女性たちの悲鳴だけが響く…ここがあの大量虐殺が行われたとされるアウシュビッツだとわかって見ているだけに、観客の恐ろしさは より増幅される。しかし次の瞬間、この部屋はガス室ではなく 実は本当のシャワー室だったというフェイクシーンだという事がわかる(なので誰も死なない)。

つまりスピルバーグはアウシュビッツで直接的にガス室のシーンを描いていないのである(しかしその代わりに煙が延々と立ち上る煙突を映したカットが説明なしに何度もインサートされるが)。映画が歴史的解釈を言及するという事は 逆の意味でナチスがやってきたプロパガンダ映画と変わらなくなってしまうという側面もあり、ここは実に扱いが難しいところだ。オスカー・シンドラーが1200人のユダヤ人の命を救ったというのは確固たる史実としてあるのだが、この『シンドラーのリスト』という映画はそれを誇張し過ぎてはいないか、歴史改変や美談化されていないかという論争もあり、調べてみると そういった声が意外に多いという事に正直ちょっと驚いた。しかしそんな非難を受けながらもスピルバーグは この『シンドラーのリスト』を 一ユダヤ人として自らの命を懸けて作り上げたのである。それは最終的には孤立無援でナチスに立ち向かったオスカー・シンドラーと同じように「一人の人間を救う者は、全世界を救う」という信念をまさしく体現していたのかもしれない。ちなみにスピルバーグは この『シンドラーのリスト』で監督としてのギャランティーを拒否し、一切もらっていないという。


個人的に好きなシーンは ドイツ人のシンドラーが「この戦争が終わったら一緒に酒を飲もう」と言うと、ユダヤ人会計士のシュターンが「いや、今飲みましょう」と その場で杯を交わすシーンだ(ちなみに勤勉なシュターンは普段ほとんど酒を飲まないのだが)。

この戦争下においてIFやMAYBEはない。いくら終戦が近づいてきているとはいえ、この関係は、お互いの命は、明日あるかどうかわからないという無情な現実を描いたシーンにグッときた。自分も先日大切な友人を亡くした。しかも飲みに誘おうと思っていた矢先での急逝だった。だから余計にそう感じたのかもしれないが。

あと終戦直前、クライマックスのオスカー・シンドラーによる演説シーンも名シーンだ。工員のユダヤ人と見張りのドイツ兵たちを前に人間の尊厳について語るそれは まるでチャップリンの『独裁者』のラストのようでもあった。それとラストの車のウインドウに映ったシンドラーの顔と、窓の外のユダヤ人たちの姿がまるでオーバーラップのようにピン送りで交互に映し出されるシーンも実に素晴らしい。まさにヤヌス・カミンスキーの面目躍如といったところか。

そして映画の最後はカラー映像で、実際のオスカー・シンドラーの墓に献花する人物がロングショットで映し出されるのだが、実はその人物こそがシンドラーを演じたリーアム・ニーソン本人であり、その捧げられた花はまさに「希望の色」である 真紅の薔薇であった。


★★★★★ 

ジュラシック・パーク

ごめんなさい、前回のスピルバーグ監督作品レビューから半年以上が経過してしまいました(苦笑)。

前回の『フック』から2年後の作品…今回ご紹介するのはスティーヴン・スピルバーグ監督作品史上最大のヒット作『ジュラシック・パーク』です。

トラックや鮫などが襲い掛かる恐怖映画を撮り続けてきたスピルバーグが 3DCG黎明期に放った新たなる恐怖…それは恐竜!!

『未知との遭遇』『E.T.』では地球外の生命体をSFとして創造してきましたが、今度は誰も見た事がない太古の時代の恐竜を甦らせて見せるという、これまた如何にも映画らしいお話。

パークに招待された古生物学者や数学者・弁護士やハモンドの孫たちが目をまん丸にして本物の恐竜に驚いているのと同様に、観客たちもまた スクリーンを前にして目の前で起こっている事象をまるで本当の事のように受け止め驚嘆する…つまりこれは映画による追体験であり、前述の「如何にも映画らしい」というのは そういったところにも起因している。

それはまるでディズニーランドのような「夢の国」の話なのだが、まさしくスピルバーグが描こうとしたのは俺的(恐竜版)ディズニーランド」であり、ジュラシック・パークを実現させようとした大富豪ハモンドは ウォルト・ディズニーそのものであり(パークの説明VTRのシーン等は まさにディズニーランドのそれだ)、そしてこんな映画を作ってしまうスピルバーグ自身がウォルト・ディズニーの再来なのである。ちなみにみなさんご存知の通り、このジュラシック・パークは本当にUSJに出来てしまったわけですが(もちろん本物の恐竜ではありませんがw)。


で、今回は作品の時間配分を分析するためにストップウォッチ片手に観てみました(そういえばトラック野郎シリーズの時もやったなぁ。いつトルコ風呂が出てくるかを計測するためにwwww)

最初に恐竜が全身を見せるシーンが長すぎず短すぎずの映画が始まってから約20分、そしてTレックスが姿を現わすシーンが約2時間の上映時間のちょうど ど真ん中…ほぼ折り返し地点だった。これで本作が なんとも絶妙な時間配分で構成されており、ものすごく緻密に練られた脚本であるという事がよく分かった。それと2時間強という尺も長く感じさせていないのは、スピルバーグの右腕である編集のマイケル・カーンの功績も大きいかと。

あと映画が始まってすぐに ケージに入れられた恐竜をパークに放すシーンがあるのだが、そこではあえて恐竜の姿を見せていない。それとTレックスが姿を見せる直前にインサートされた「コップ(あるいは足跡による水たまり)の水の波紋」で不気味な恐竜の存在を表現するといったようなこれらの手法は激突!』『ジョーズ』でもおなじみ、スピルバーグお約束の「見せない演出」であり、Tレックスが現れるシーンでは夜の闇と雨とで その姿がはっきりと見えない事で さらなる恐怖感を煽っている(まぁアニマトロニクスとまだまだ発展途上にあったCGのアラを目立たなくさせるためという事もあったとは思うがw)。

そういったB級(ホラー)映画の手法を多分に用いてA級の映画を作るという手法が如何にもスピルバーグらしくもあり、この『ジュラシック・パーク』は まさにその集大成と言えよう。それと本作では特にえげつない「人が食われるシーン」が要所要所に出てくるw まさにスピルバーグの「悪趣味趣味」全開なのであるw

それといつものホラー要素というだけではなく、特に中盤のTレックスのシーンで顕著なのだが、例のギリギリまで「見せない演出」や恐竜の咆哮、そして科学の力によって甦らせられた存在というようなモチーフが まさしく我が国日本が誇る怪獣映画『ゴジラ』(特に第1作目)へのオマージュである事が容易に見て取れるところも本作の重要なポイントだ。

だからこれを スピルバーグ版『ゴジラ』という見方で観てもいいと思うんですよね、オイラ的にはw


あと特筆すべきは その3DCGのクオリティの高さである。’93年に作られたCGで今見直しても あまり違和感がないという事は もう奇跡に近い。それはそれだけジョージ・ルーカスのSFX工房・ILMのCG技術が当時世界最高レベルだったという事なわけだが、よく考えてみてほしい。

例えば レイ・ハリーハウゼンのストップモーション・アニメは もう半世紀前のシロモノであり、その技術はものすごく高いが今見ると「(視覚効果としては)やっぱりショボいな」となってしまう。





しかし 『ジュラシック・パーク』も 何気にもう20年以上経過しているのだ。20年前のCGだったら今見て見劣りすると思われても仕方がないと思うが、本作はレイ・ハリーハウゼンのようにクラシックになっていない。それと日本では公開されていないが、去年アメリカでは当時の映像をそのまま使った3Dバージョンも作られた。そしてこの『ジュラシック・パーク』での成功が、後の『スターウォーズ』新三部作の製作に繋がっていったのは言うまでもない。それはまさに3DCGがようやく映画の世界で使い物になった瞬間だったのである。


スピルバーグはこれで おそらく『E.T.』以来といえる自身の代表作と呼べる作品づくりに成功し、興行成績的にもCGを本格的に導入し成功を収めた作品としても金字塔を打ち立てる事ができ、『ジュラシック・パーク』はマスターピースとなり3DCG映画の試金石にもなった。そして『カラーパープル』とか太陽の帝国』のような山田洋次における『学校』みたいな映画ばかり作っていたスピルバーグがまた「いつもの(娯楽でヲタクな)スピルバーグ」になって戻ってきたのである!!w

だが、この同じ年になんと『シンドラーのリスト』も公開してしまうという…でもまぁこれもまた「(早撮りの)スピルバーグ・クオリティ」なのであるw

そういえば、ハモンド役のリチャード・アッテンボローが先日亡くなった。これまた最近見返してレビューも書いた『大脱走』にも出てたよね。まぁオイラの世代では俳優というよりは映画監督(『ガンジー』でアカデミー賞を受賞)の印象が強かったけど。合掌…。


★★★★☆

フック

スピルバーグ監督作品全作レビューも ついに90年代に突入!!

んでもって その一発目は『フック』です。

スピさんも世界的に大ヒットした『E.T.』以降には『カラーパープル』や 『太陽の帝国』のようなアカデミー賞狙いのお堅い作品を撮るようになり、 前作の『オールウェイズ』ではスピルバーグらしからぬ 大人のメロドラマをやってちょっと失敗w

それで「いいもん、オイラこれからもずーっとおこちゃまでいいもんっ!!」と開き直ったのかどうかは知る由がないが(笑)、「ずーっとおこちゃま」映画の代表格であるピーターパンをディズニー好きのスピルバーグがやってしまう…しかもおっさんになったピーターパンが自我を取り戻してフック船長と闘うという、まるでコドモオトナのスピルバーグ自身に重ね合わせたような、スピルバーグの俺汁が全開した自慰映画(苦笑)。

やっぱスピルバーグが常に考えているのが(自身の)『E.T.』越えという事だと思われるのだが、 残念ながら本作でそれは達成されていないw

オイラが思うに、あまりにもスピルバーグのピーターパンに対する強い思いが突出しすぎて 空回りしていた感がある。これは本来なら インディ・ジョーンズシリーズみたいに ルーカスとかにプロデュースしてもらった方がよかったんじゃないかなぁ? この作品に必要だったのは「(冷静な)第三者の視点」だったと思うんだよねー。

それと『フック』はもうちょっとCGが発達してから、もっと後に撮ってもよかったかもなー。ほぼオールセットで撮られているので、CGとの相性が良かったと思うんだよね。だって この映画、制作費が7000万ドルも掛かっているらしいんだけど、その割りには なんだか画がしょぼかったしな(苦笑)。海賊たちの野球大会のシーンは面白かったけど(海賊だけに ユニフォームには「PIRATES」と書かれており、実在のMLB「ピッツバーグ・パイレーツ」のパロディになっているというオチw)。

それとさぁ、見る側からしたら どうしてもディズニーの『ピーターパン』と比較しちゃうわけじゃないですかぁ(それにしても何故に『フック』っていうタイトルにしちゃったんだろ?w 別にフック中心の話でもないのに)。

そうなるとジュリア・ロバーツのウェンディってどーなのよ?…って思っちゃうわけですよ。ちょっとトウが立ってないか?(←失礼w) 最後の方ではなんとか見慣れたけどw

まぁ芸達者なロビン・ウィリアムズダスティン・ホフマンの演技により見られるものになってはいるけど、なんかオイラ的には及第点以下かな? これまでのスピルバーグ作品基準からいったら。だってこれをスピルバーグの代表作とは呼べないでしょ?(苦笑) まだまだこんなもんじゃないよ、スピさんのポテンシャルは!!w

で、この「ディズニー・リベンジ」は、後の『A.I.』(こっちは『ピノキオ』オマージュ)まで持ち越される事となるのだw


★★★☆☆

オールウェイズ

スピルバーグ監督作品レビュー、今回は『オールウェイズ』です。

オードリー・ヘップバーンが最後に出演した映画という事で有名な作品ですが 今回初見でして、あまり予備知識をつけないで観てみました。

今回は「大人のファンタジーメロドラマ」という新たなるジャンルに首を突っ込んだスピさん、実はこの『オールウェイズ』には元ネタがある。

1943年、ビクター・フレミング監督による『ジョーと呼ばれた男(A Guy Named Joe)』という作品。脚本は なんとダルトン・トランボだ。

主演のリチャード・ドレイファス『ジョーズ』『未知との遭遇』以来3度目のスピルバーグ監督作品出演。

この当時リチャード・ドレイファスは逆算すると41~2歳のはずなのだが、それにしてはえらい老けた見た目だったよね(苦笑)。やっぱりハゲ&ヒゲのせいなのかなぁ?w

スピルバーグは『未知との遭遇』の主人公が家族を捨てて異星人と共に宇宙へと旅立っていくラストシーンについて後年後悔していたそうだ。やはり自分も所帯を持つようになり、その身勝手さに「いや、それはないだろう」と述懐したのであろうw

それはコドモオトナだった過去の自分への決別であり、この『オールウェイズ』とは まさにそのスピルバーグの決意表明であり、リチャード・ドレイファスに対しての償い映画でもあったのだろうw

こうした「自分への落とし前(をつける)」というスタンスは まるで宮崎駿監督『風立ちぬ』のそれとそっくりだ!!(←なんかスピルバーグというと ついこの宮崎駿ネタを絡めたくなってしまうのだが、実際そうなのだから仕方ないw)

しかも かつての「華麗なるヒコーキ野郎」どもが出てくるというところは 『紅の豚』にも酷似しているw

守護霊が出てきてうんぬんかんぬんといえばオイラは洋画の『ゴースト』とかよりも、邦画の『四月怪談』とか『ふたり』とかを思い出した。『オールウェイズ』を観ていたら、こっちも久しぶりに観たくなったなぁ~w

それと見ていて気がついたのだが、おそらくスピルバーグ作品ではあまり見た事がない「猫」が出ていた。

それはヒロイン(ホリー・ハンター)の飼い猫なのだが、名前が「リンダ・ブレア」(『エクソシスト』の子役で有名な)でワロタ!!wwww しかもほんとちょっとしか出てこないしw

劇中ではプラターズの『煙が目にしみる』が ベタではあるが、効果的に使われている。ラストも結構素直に泣けた。 なかなかの良作なんだけど、やっぱスピルバーグ作品の中にあっては地味な存在ではあるよねw 撮影も常連のアレン・ダヴィオーじゃなかったしなー。

で、これでちょっと路線変更が失敗した感じのスピルバーグは(苦笑)、その後は『フック』、『ジュラシック・パーク』と作風をまた おこちゃま路線に戻しているw

あー、でもあともう1回ぐらいスピルバーグとリチャード・ドレイファスのコンビって見てみたいよね☆w


★★★★☆

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【悲報】

これまでたくさんスティーヴン・スピルバーグ監督作品を観てレビューしてきましたが

この『オールウェイズ』は1989年の作品。

つまりこの時点でまだ

80年代までの作品を消化したに過ぎないのだ!!w

まだまだ先は長いねぇ~(苦笑)。スピルバーグは活動期間のわりには多作だからなぁ~。

という事は次回からは90年代以降のスピルバーグ監督作品の紹介となります。

楽しみにしていてくださいねぇ☆ 

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦

ついにインディ・ジョーンズシリーズも第3作まで辿り着きました!!w

2作目の『~魔宮の伝説』『レイダース~』の前日譚だったのに対して、3作目の『~最後の聖戦』は時間軸的には1作目の続きとなっている…と、書いておきながらオープニングからいきなり青年時代のインディ(リバー・フェニックス)が登場するのだがw ちなみに この「ヤング・インディ・ジョーンズ」のお話は のちにTVシリーズ化される事となる(邦題:『インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険』)。

こうしたインディの過去のエピソードや生い立ち、そして親子の確執の話から本作は 3作目でありながら「エピソード・ゼロ」的な要素が強い。 

テイストはグッと1作目に近づき、陸海空のアクションは更に強化!! オープニングの動く列車の上での立ち回り(ハリウッド往年の冒険活劇映画へのオマージュ)、ヴェニスでのボート、サイドカー(ルーカス印という事もあってか『スターウォーズ ジェダイの復讐』のスピーダーバイクのシーンを彷彿とさせる)、戦闘機(前作『太陽の帝国』に続いて)、そして戦車相手のチェイスシーン(こちらは『駅馬車』等、西部劇へのオマージュである)は 今見ても充分に楽しめる出来になっている。

そして「007をやるんだ」とルーカスと共にスピルバーグが立ち上げた この企画に、いよいよ待望の「本物の007(ジェームズ・ボンド)」が登場する事となる。インディの親父、ショーン・コネリーだ。

しかし、このショーン・コネリーが出てくるまでが異様に長いんだよな~!!(苦笑) こっちは出るのをわかってて構えて見ているから余計にw ちなみに計ってみたら47分も掛かっていたよ!!wwww で、父ちゃんが出てきてから話が急展開。俄然面白くなってくるわけだけど、それにしても出てくるのが遅いっ!!w

それと『レイダース~』に続いて、敵役として出てくるのがナチスである。ご存知の方も多いかと思いますが、スピルバーグはユダヤ人である。つまり仮想敵としては適任なわけだが、ユダヤ人でありながら旧ドイツ軍の戦車やら戦闘機などの兵器が三度の飯より大好物のスピルバーグがナチスを描くと、なんだか楽しそうなんだよね(苦笑)。撮影中ニコニコしている姿が目に浮かんでくるというかw そんな反省も踏まえて作られたのが『シンドラーのリスト』というわけだ。『カラーパープル』では黒人(そして差別される女性)、『太陽の帝国』ではイギリス人の少年を主役に据えて描いたが、やはりユダヤ人であるからにはホロコーストの事はちゃんと描いて落とし前をつけなければ…という気持ちになったのだろう。その構図は散々戦争反対を謳いながら、人を殺すための道具(兵器)が大好きという宮崎駿と『風立ちぬ』の関係にそっくりだw

オイラはこのパート3があまり好きではなく、今までにも1~2度しか見た事がなかった。星も3つにしようかと思っていたけど、こうしてあらためてスピルバーグ作品を頭っから通して観ていくと面白かったな、結構素直にw

特にラストの夕陽をバックに去っていく画はカッコヨス!!w この「夕陽バック演出」は『カラーパープル』や『太陽の帝国』なんかでもやっていたが、のちにダフト・パンクの『Get Lucky』にも多大なる影響を与えた(←これはウソですwwww)。



しかし なんだかんだ言っても、エンディングに『レイダース・マーチ』が流れたらテンション上がるよなぁ~♪w


★★★★☆ 

太陽の帝国

『カラーパープル』に続いて作られた スピルバーグの、山田洋次における『学校』的ポジション映画…それが『太陽の帝国』であるw

本作はオイラが映画館で初めて観たスピルバーグ監督作品であり、 実に25年ぶりに再見した。それでわかった事は

オイラは『太陽の帝国』の内容を全くもって覚えていなかった

という衝撃の事実だ(苦笑)。そりゃしょうがないよな、だって中学生の時分に観たっきりだものw

しかし25年を経て見直したら、発見がいくつもあって面白かった。


まず本作は 宮崎駿の『風立ちぬ』に そっくりだ。

いや、これはもはや酷似しているといっても過言ではないかもしれないw 宮さんもスピちゃんも お互い戦争は反対だけど、無類の兵器好きという とんでもなく厄介な共通項があるわけだが(笑)、そうした兵器(特に戦闘機)への強い憧憬の念が両作では描かれている。それと上海での群衆シーンも『風立ちぬ』での関東大震災のシーンに似てなくもない。意外と指摘がないけれど、きっと観ているな。宮さんはw


それと前述の群衆シーンなど、迫力のある壮大な引き画が多いのも特徴的だ。

これはおそらくスピルバーグが敬愛するデヴィッド・リーンや黒澤明の影響だろう(そもそも本作は デヴィッド・リーン監督が映画化しようとしていた企画だったらしい)。広大なオープンセット(日本軍の捕虜収容所のセットは まるで黒澤の『羅生門』のようだ)や、何千人ものエキストラを配したモブシーンは まるで往年のハリウッドの大作映画を彷彿とさせる(そして劇中『風と共に去りぬ』へのオマージュもあり)。スピルバーグも賞レースを意識してか、いつしかこうした文芸大作も作るようになったというわけだ。しかし こうして見返してみると、CGのない時代の映画はよかったなぁ…と、つくづく実感w


あと意外な出演陣にも驚かされた。

主演の子役、クリスチャン・ベールは4000人のオーディションの中から選ばれたシンデレラ・ボーイだった。まぁ映画の世界では「子役は大成しない」というのが通例なのだが(例外なのはジョディ・フォスターと美空ひばりぐらいかw)、彼はのちに『ダークナイト』でバットマンになったw カルキン君大五郎のようにはならなかったのである!!(苦笑) それとジョン・マルコビッチが出ていたというのをすっかり忘れていたw まぁこの時からジョン・マルコビッチはハゲビッチだったので(笑)、共演の伊武雅刀の方が50倍ぐらいかっこよかったな~☆w あとちょい役で『ピンクパンサー』シリーズでクルーゾー警部(ピーター・セラーズの方)の召使い・ケイトー役として有名なバート・クウォークの姿を見掛けた!! やっぱりたくさん映画を観てから見直すと、こうした様々な発見がありますね。


で、本作の舞台は日中戦争中の上海。物語のスタートは1941年…41年といえば、真珠湾攻撃後のカリフォルニアを描いたスピルバーグのコメディ映画『1941』と同じ年…つまり これは極東の地で起こった「裏1941」だったのではなかろうか。

かつてスピルバーグは スタンリー・キューブリックから『1941』はコメディとしてではなく、ドラマとして作った方がよかったのではないかと指摘されていたという。そう考えると、まさしく この『太陽の帝国』は 『1941』のリベンジだったのかもしれない。

戦争とは無差別に人が殺されるという悲しさもあるが、同時に生き残ったものの苦悩や悲哀、そして あまりにも捕虜収容所での生活が長く過酷だったために、ついには愛する父と母の顔すら思い出せなくなってしまった少年・ジェイミーのように、戦争とは人をこうも残酷に変えてしまうという恐怖が観る者の胸を締め付ける。

前作『カラーパープル』と同様、冒頭の30分ぐらいはまったりとした展開で退屈なのだが、おなじみアレン・ダヴィオーによる超絶的に美しい撮影と、マイケル・カーンによるツボを得た心地の良い編集とがばっちりと融合しており、観客の目を最後まで釘付けにする。部屋が変わる度に貼り替える(もはや記号と化した)ピンナップや、足下(ゴルフシューズ等)から映す演出、ラストのハレーションをわざと映り混ませた神々しい構図、オープニングの水面に漂う棺桶とラストのアタッシュケースを結ぶ「死と再生」のイメージ、そして『カラーパープル』でもご披露した流麗なカメラワーク(移動撮影)などなど、如何にも映画的な手法を駆使してふんだんに魅せてくれている。

あと気がついたのは、作中でイギリス人のジェイミーと日本軍の少年兵(片岡孝太郎)との ほのかな友情が描かれているが、見ていて「あ、これは『E.T.』なんだな」と思った。つまり欧米人からすれば、アジアの言葉が通じない 肌が黄色い男の子は異星人にしか見えなかったであろう。まさにファースト・コンタクトである。しかし極東の地においてはアウェイな白人の方がむしろ異端であり、敵であり、エトランゼであり、エイリアンなのである。そういった主観の相違というのも本作の大きなテーマだろう(使用人だった中国人女性にジェイミーが逆に殴られるシーンも象徴的だった)。

しかし『カラーパープル』もそうだったけれど、傑作とまでは言わないが これだけの超良作を作っても オスカーを獲れなかったっていうんだから、スピルバーグもよっぽどアカデミー会員から嫌われていたのかなーと思うよ、つくづく…(苦笑)。


★★★★☆

カラーパープル

今までアクション大作や 子供のためのファンタジー作品ばかりを作ってきたヒットメーカーであるスティーヴン・スピルバーグが初めて挑んだ新境地…それが大河ドラマ的なシリアス路線であり、その始まりが この『カラーパープル』であると言えよう。

まぁ、山田洋次における『男はつらいよ』と『学校』シリーズの棲み分けのようなものである(苦笑)。別に宮崎駿の『風立ちぬ』でもいいけどw

『E.T.』でオスカー(作品賞)を逃したスピルバーグの アカデミー賞を意識した作品という見方もできるかと思うが、本作は10部門にノミネートして結局無冠で終わっている。監督賞に至っては候補にすら挙がらなかったという事で、ここからスピルバーグの「アカデミー会員に嫌われている伝説」の長い苦闘の道のりが始まるわけだ(苦笑)。’87年にはアービング・サルバーグ賞(アカデミーの特別功労賞のようなもの。オスカー像はもらえない)を受賞するが、監督・作品賞でオスカーを獲るのは『シンドラーのリスト』(’93年)まで待たなくてはならない。

原作はピューリッツァー賞も受賞したアリス・ウォーカー、主要キャストのほとんどが黒人、音楽はいつものジョン・ウィリアムズではなくて、クインシー・ジョーンズ(プロデューサーとしても参画)、上映時間も当時のスピルバーグ作品としては長尺で154分と、異例づくしのある意味珍品だ。

アレン・ダヴィオー(撮影監督)による美しい映像(特に移動撮影は必見)で淡々と話が進んでいくのだが、正直序盤は退屈だ。この「美しいけど退屈」感はスタンリー・キューブリックの『バリー・リンドン』に通ずるところがあるw

しかし154分で見せる女の一代記であるので、ジャンプカット等も多用して非常にテンポ良く見せている(編集のマイケル・カーンの功績も大かと)。そんなところはマーティン・スコセッシの『グッドフェローズ』的でもある。

本作を観ていると「あー、たった100年前までは黒人もこんなに差別されていたのだなー」と思うのだが、何もこれは黒人だけの問題ではない。

人種差別はもちろんの事、近親相姦にDV、同性愛…と スピルバーグは今まで自作で触れる事のなかったタブーの部分を積極的に描いている。これは黒人差別の問題でもあるのだが、女性が社会的権利を勝ち取るまでの物語でもあるのだ。

主人公のセリー(ウーピー・ゴールドバーグ)に妹のネッティ、シンガーのシャグや義娘のソフィア等、様々な境遇を背負った女性が本作では数多く登場する。これは白人(ユダヤ人)男性による、(黒人)女性讃歌映画と言えよう。

まぁ黒人がこれを見てどう思うかは計り知れないが、スピルバーグ演出の巧さがキラリと光る隠れた名作だとは思った。

ラストはプロセスを多く踏んだ割りには ちょっとあっけないかな、と思ったが…w


★★★★☆


※ 本当はここで『世にも不思議なアメージング・ストーリー』(元々はテレビシリーズ)のレビューをやる予定だったのですが、ソフト入手ができなかったためレビューは割愛させてもらいました(学生の頃に一度観た事はあるのですが、全くもって内容を覚えていないためw)。またどこかで観られる機会があった時には、あらためましてこの場でレビューを掲載できればと思っております。何卒ご了承くださいませ。

インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説

ルーカス印の大ヒット作、前作『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の続編として作られたインディ・ジョーンズ シリーズ第2作目…と、いっても厳密に言うと 続きの話ではないw 『レイダース~』は1936年、『~魔宮の伝説』は1935年が舞台の話なので、実は2作目の方が前日譚になっているという構造だ。

『~魔宮の伝説』のオープニングから20分くらいまでのジェットコースター的展開が大好きで、あのシーンだけを きっと100回ぐらいは見ていると思うw

ケイト・キャプショー(本作出演後、スピルバーグ夫人に)の『Anything Goes』、往年のハリウッド・ミュージカル映画を彷彿とさせる華やかなタップダンスとラインダンス、いつものテンガロンに革ジャン姿ではなく白のタキシードで まるでジェームズ・ボンドのようにビシッとキメたジョーンズ博士、 ショーティー(キー・ホイ・クァン)の大活躍、飛行機からゴムボートでのダイブ…ここまでの流れは映画として完璧、まさにスピルバーグ・マジックの集大成だ。

ゲテモノ料理のフルコース(猿の脳みそのシャーベット等)や心臓をえぐり出すシーン、少年奴隷への強制労働シーン等、初期のスピルバーグ作品の中でも残酷描写の多さはピカイチで、まさに悪趣味スピルバーグの本領発揮であるw 本作は公開当時まだなかったレイティング・PG-13が作られるきっかけともなった。

呪いが解けてインディが子供たちを救うために颯爽登場のシーンでは、毎度おなじみ・逆光+トラックアップのスピルバーグ演出とジョン・ウィリアムズの劇伴(よくよく聴いてみると、かなりバーナード・ハーマン調であるw)でグッと盛り上げる。

多幸感にあふれたラストも観ていて心地良い。 しかし前作『レイダース~』と比べるとかなり作りが安っぽい(わざとそういうテイストにしたのかもしれないがw)。スピルバーグ自身は本作を「失敗作」と公言したらしいが、それほど悪くはないとは思うw


★★★★☆ 

トワイライトゾーン/超次元の体験

60年代に日本でも放映された米国の人気テレビドラマシリーズ『トワイライト・ゾーン』(邦題:『ミステリー・ゾーン』)をオムニバス映画としてリメイク。今ではよくある「ザ・ムービー」ものブームの先駆けともなった1作だ。

で、スピルバーグは4本のオムニバス作品中、2作目の『真夜中の遊戯』をディレクション。

老人ホームにいる老人たちが一晩だけ子供に若返るという、如何にも「コドモオトナ」なスピルバーグらしいファンタジー。4作中最も怖くないw 

プロデューサーとして携わった『ポルターガイスト』('82年)から始まり、その後『グレムリン』('84年)等でも自らメガホンは取らないという、陳腐なホラーを作る事で自身の監督としてのキャリアを傷つけたくないというスタンスは ここでも保たれているというわけだ(苦笑)。しかし4作の中でも、ちょっと上品すぎやしないかい? このエピソードだけw

息子夫婦宅へのお泊まりを毎回拒まれる老人(ビル・クイン)というくだりは、小津安二郎監督の『東京物語』('53年)を彷彿とさせる(スピルバーグが この頃 『東京物語』を観ていたかどうかは不明だがw)。

それと「ハレー彗星を8歳の頃に見るのがいいか、それとも80歳で見るのがいいか」という話は、そのまま「映画」の話に当てはめる事ができる。

子供の頃に見て大して面白いと思わなかった映画が、大人になって再度見直したら感動して泣けた…なんていう経験は誰しも一度ぐらいはあるのではなかろうか。

オイラにとって、そういう映画が まさしく小津作品だったりするわけなのだが、そう考えると やはり本作は『東京物語』へのオマージュなのか!?w


と、毎度おなじみスピルバーグのお話はこれまでなのだが、オムニバス作品なので他の作品についても言及しておきたい。

何故なら 本作を語るにあたって、第1話の 『偏見の恐怖』を監督したジョン・ランディスの話をしないわけにはいかないので。

実はこのエピソードの撮影中、事故により主演のビック・モロー(テレビ映画『コンバット』のサンダース軍曹役)が亡くなった。

ベトコンの子供2人を抱えて逃げるシーンにて撮影に使用していたヘリコプターが落下。ローターが直撃し、3人とも即死した(ヘリの操縦士は無事だった)。

もちろん このシーンは本編ではカットされてしまったのだが、その後 日本では『カメラが捉えた決定的瞬間』などで その未公開シーンが放送された(オイラはそれを当時オンタイムで見たのを覚えています。以下がその動画)。



この事故のショックから ジョン・ランディス監督は長い事立ち直る事ができず、その後 作品にもあまり恵まれず現在に至っている。


最後に余談なのだが、映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』('78年)では同じように撮影中にヘリコプターが墜落する事故があったのだが、死者が出なかったのをいい事に なんとその事故シーンを本編でそのまま使っている(何の脈絡もなくw)。まぁこちらは超低予算のZ級映画だったので、アクシデントを逆手にとって迫力あるアクションシーンとして堂々と使ってしまったのだ!!(苦笑)

光と影…どちらにせよ これこそが 興行が絡んでくる事によって見せられない、もしくは見せなくてはならない「映画」の実態なのだ。 


★★★☆☆ 
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