かーやん☆ブログ

DJ karyangという名でDJもしております。

アルチザン・岡本喜八

ジャズ大名

岡本喜八監督、’86年の作品。原作は筒井康隆。

岡本喜八なのに大映製作松竹配給、なのに撮影は東宝(スタジオ)でおこなったという 今となっては珍品中の珍品。大映らしさや松竹っぽさは皆無、完全に東宝カラーであり、生粋の岡本映画だったw

でもこうなったのも五社協定がなくなり時代の流れ…ある意味、監督としては一番不遇だった時代の作品なわけだが、今観るとなかなか面白い。むしろ80年代当時は正当に理解・評価されなかったのではなかろうか。 30年早かったなw

しかし この面白さは映画としての面白さというよりは、音楽映画としての面白さであり、岡本喜八作品としての面白さなんだろうなぁ。本作を観る前に『ああ爆弾』を観ておくといいかもしれない。この独特のビート感は岡本喜八じゃないと出せないよな。あとこれができるのは日本では古澤憲吾ぐらいかw

古谷一行、財津一郎の演技がとにかく良い。そして殿山泰司や本田博太郎らのバイプレイヤーたちの名演もキラリと光っている。

これ観ていると なんだか自分も一緒にセッションしたくなってくるよね♪w これぞ、ジャズ好きな喜八っつあんの面目躍如かw


★★★★☆

暗黒街の顔役

久しぶりに岡本喜八監督作品を観た!!

しかもかなり初期の作品を。同名の作品があるが(ハワード・ホークス監督作品)、こっちは もちろん日本の作品であるw リメイクではない。

これは『仁義なき戦い』みたいな いわゆる泥臭いヤクザ映画ではないよね。まさしく和製フィルム・ノワールでしたわ!! ものすげーモダンにソフィストケイトされたインテリヤクザw

それもそのはず、出ているのはB級の役者さんではなくて

鶴田浩二宝田明、そして三船敏郎

と、当時の東宝の三大スタアですもの!!

それと佐藤允、平田昭彦、天本英世、堺左千夫、沢村いき雄 等、おなじみの喜八ファミリーも健在で、観ていて安定の一本であるw

そして本作では味のあるバイプレイヤーであった佐藤允が、のちに『独立愚連隊』では主役となり、本作の主演であった鶴田浩二と三船敏郎が脇にまわるという、美しい映画の円環が見られる。これは岡本監督の人徳であろう。


最後に本作を見ていて気がついた事をいくつか。

驚いたのは この『暗黒街の顔役』が公開されたのが1959年。ギャングものではあるのだが、アクションシーンのテイストはオサレで 今見ると 007シリーズに似た雰囲気もあるのだが、1作目『007 ドクター・ノウ』が公開されたのは62年である。

それとジャズ喫茶でシンガーをしていた宝田明がステージで唄うシーンでは、若いグルーピーな女の子たちからワーキャー言われるシーンなんかもあるのだが、ビートルズが日本で大ブレイクするのは64年頃であるから、岡本喜八が描こうとしていた和製フィルム・ノワールの世界が当時の日本からしたら如何にバタ臭く、かなり先見性があったかがよくわかる1本でもある。拳銃とか普通にバンバン撃ってるしね、日本なのにw

あと去年からずーっとスピルバーグ監督作品を見続けているから気がついたのかもしれないが、よくよく見ていたら岡本喜八もスピルバーグに負けないぐらいトラック・アップ(ズームレンズで寄るのではなく、ドリー等の移動撮影でカメラそのものを被写体に近づけて寄る撮影法)を多用していた。

調べたら この作品は のちに『暗黒街~』シリーズとして 数本作られているようなので、機会があれば他の作品も観てみたいですね。


★★★☆☆ 

近頃なぜかチャールストン

やっぱ80年代に こんな素晴らしい映画があったんだという事を、声を大にして言える喜び…それに尽きるっしょ?w 

ATGで、しかも当時 無名の若者・利重剛とタッグを組んでこういう映画を作っちゃうんだから ホント尊敬すべき存在だよ岡本喜八督は。 

岡本監督の映画って、どれも観た直後にもう一度繰り返して観たくなるんだよね。それはもうほとんど映画の魔力であり麻薬

今となっては見られない 東宝の往年の名バイプレイヤー、平田昭彦や岸田森、堺左千夫や殿山泰司、藤木悠などの味ある演技は必見。 

財津一郎、田中邦衛、寺田農、それと本田博太郎の演技も どれもキラリと光っている。 


それとお手伝いさんのタミ子役の古館ゆきがオイラ好みだった

可愛いオパーイも拝めてありがたや ありがたや~☆ 


未見の方は必見の怪作。今こういう時代だからこそ再評価されるべき傑作だよ、コレは。


★★★★☆


(2014.3.6 一部加筆) 

肉弾

岡本喜八監督の『肉弾』を観る。

まさにキハチイズムの集大成


東宝で比較的好き勝手に撮らせてもらっていた岡本が 何故に自分の家を抵当に入れてまでも この『肉弾』をATGで作る必要があったのかを考えながら観ると、より感慨深い。

やはり この人は巨匠ではなく、映画というものが好きで好きでたまらない「映画の虫」だったのだな。


脚本も演出もキハチ節炸裂で素晴らしいのだが、特筆すべきは若き日の寺田農の演技だろう。『独立愚連隊』の佐藤允を彷彿とさせる 粗野で荒々しい役者の原石だ。


それと大谷直子の初々しさも忘れてはならない。


戦争の本質をユーモアを交えて描いた本作を、世界中の人たちに観てもらいたいという思いを込めて…。


★★★★★


(2014.2.9 一部改稿)

ああ爆弾

新年1発目の映画鑑賞は、岡本喜八監督の『ああ爆弾』


始まって1分で観客を引きつける強烈な吸引力、ここでも既存の映画文法から大きく逸脱したキハチ節の真骨頂が見られる。

おそらく何も知らないで初めて見た人はビックリするんじゃないかなぁ? 「一体 何なんだ、コレは!?」ってw

オイラなんか「キハチさん(の演出)ってこんなもんだろ?」…と頭の中で解って観ていても 閉口させられたからね!!w


『江分利満氏の優雅な生活』を初めて観た時も驚かされたが、この『ああ爆弾』も隠れた傑作だ。

伊藤雄之助の怪演はここで語るまでもないが、中谷一郎の演技も素晴らしい!! 本作と『独立愚連隊』の中谷一郎は本当に名演だね。風車の弥七の彼しか知らない人は必見!!w

あと個人的にはミュージカルシーンの桜井浩子がめちゃくちゃ可愛くて好き☆w


それと岡本作品のレビューを書く時に毎回同じ事を言っているのだが、岡本作品は映画よりも むしろ日本のアニメにものすごい影響を与えているね!!(演出や編集のテンポ等で)

キハチさんの映画を観る度に「ああ、あのアニメの元ネタはコレだったのかー」って、いつも何かしら発見しちゃうもんなーw


しっかし感心するのは、よくぞまぁ当時こんな(凄い無茶苦茶な)映画を平気で撮らせてあげてたよね、東宝さんは!!w それにも驚きだわw


★★★★★


(2014.3.6 一部加筆) 

どぶ鼠作戦

独立愚連隊シリーズ第3弾(といっても、またもや続編ではない/笑)となる本作、佐藤允の存在感はだいぶ濃くなって戻ってきたが、残念ながら中谷一郎(弥七/笑)の役目は より薄くなっちゃった(苦笑)。

これはこれでよくできていて面白いのだが…オイラはやっぱ1作目の『独立愚連隊』の方が好きかな?

それでも喜八作品って 何度も繰り返して見直したくなっちゃうんだよな、コレが!!

何なんだろうね。面白いけど1回観れば もう充分っていう映画も多いのですが、何故だか岡本喜八の作品って観た直後にもう1度観たくなっちゃうんだよね~w

麻薬映画だよ、まさに!!w


★★★☆☆


(2014.3.5 一部加筆) 

24時間映画マラソン 第2弾『江分利満氏の優雅な生活』

途中で3時間程 仮眠を取り、2本目の作品『江分利満氏の優雅な生活』(岡本喜八監督)を鑑賞。


『殺人狂時代』と並ぶ、まさにキハチ・コメディーの頂点

『フォレスト・ガンプ』や『ガープの世界』のように何かドラマチックな展開があるわけではなく、サラリーマン家庭の極々平凡な日常が延々と続く。しかし それがとんでもなく面白いのだ。

オープニングで江分利満氏は「面白くない…」と語り始めるが、実は特別面白くない日常こそ 一番面白いのだという事を本作は証明している。

一言でいうと

「こんな映画、観た事ない」面白さ

だ(笑)。

面白さが説明できないとなると、それはもう観て頂くしかないわけで…未見の方は必見!!

個人的には 新珠三千代や若き日の桜井浩子などの「魚顔系美人」たちが可愛くてたまらなかった☆w


★★★★★


(2014.2.12 一部改稿) 

独立愚連隊西へ

「パート2に名作無し」と よく言われるが、例外もある。

例えば 『ゴッドファーザーPART2』とか、『スターウォーズ 帝国の逆襲』とか、『マルサの女2』とか。

そして 『独立愚連隊西へ』も、その部類に入れてもいいだろう(実は設定・内容的には『独立愚連隊』の続編ではないのだが/笑)。

前作よりも コメディ色がグッと強くなった分、スカっと爽快感も増して誰もが楽しめる娯楽作に。

たったひとつの軍旗のために翻弄される人々を描く事で反戦色も強くなっているのもミソ。


でも ちょっと残念だったのは、前作で好演した佐藤允中谷一郎(風車の弥七/笑)の存在が薄めだった事。

ま、他の出演陣の出番が多くなった分、仕方ないのですが(加山雄三、平田昭彦、フランキー堺、天本英世 etc.)。

しかし なんといっても 本作の目玉であり 見せ場は そろばん抱えて登場、バカボン鬼塚似の神谷一等兵・堺左千夫の怪演であるw


岡本作品は、何故だか1度観ると もう1回すぐに繰り返してみたくなる…まるで麻薬のようだw


★★★★☆


(2014.2.9 一部改稿) 

独立愚連隊

東宝で岡本は娯楽活劇、いわゆるプログラムピクチャーを撮り続けた。

でもそれは裏を返すと、大作ばかり撮ってきた天皇クロサワが撮りたくても撮れなかったものをやっていたとも言えないだろうか。

B級と一言で片づける事なかれ。

西部劇や推理劇、様々な要素がギュッと盛り込まれた『独立愚連隊』。黒澤映画が幕の内弁当だとしたら、岡本喜八の映画は

「のりめんたい唐揚げ弁当」

だ(笑)。

高級でソツのない幕の内もいいが、ボリュームたっぷりで腹持ちの良い のりめんたい唐揚げ弁当の方が好きだね、オイラは☆w


そして この映画は まさに佐藤允のためにあるね。

野性味に溢れていて、なおかつ策士でカッコイイ!!

しかし この当時、既に大スタアであった 三船敏郎や鶴田浩二の使い方が確信犯的で かなり笑えるw

だって配役が キチガ○シナ人だもの!!(苦笑) 三船さんなんて真面目に(天然で)狂った演技しちゃってるし(爆っ)。


それと最後に、この『独立愚連隊』は 後の日本のアニメ(庵野秀明、押井守の『機動警察パトレイバー』、それと『ケロロ軍曹』等)に多大なる影響を与えている事をここに記しておく。

まぁそれは喜八っつあんのカット割り(絵コンテ)が、実写よりもむしろアニメ的だという事もあるのだと思うのだがw


★★★★★


(2014.2.9 一部改稿) 

殺人狂時代

アルチザン・岡本喜八による良質なブラック・アクション・コメディ『殺人狂時代』を久しぶりに見返す。

「映画は、初めの5分が面白ければ それだけでもう充分に傑作である」となんていう言葉が もしあるとしたら『殺人狂時代』は間違いなく傑作だ。

天本英世の流暢なドイツ語にうっとりしていると、佐藤勝の軽妙な音楽に乗ってブレイク・エドワーズの映画のようなアニメ(アンクルトリスでおなじみの柳原良平がキャラデザイン)が始まる。

ここまで観てしまうと、もうこの映画は止まらなくなってしまう!!

そして観る者は画面を前に、最後まで ただただ唖然とするしかない。

見せ方(カット割りや音楽・音響の使い方)が巧妙だよな~、キハチさんは!!

もちろん脚本や演出、キャストや演技も素晴らしいのだが、岡本喜八はサラっと「テンポで魅せちゃう」。映像作品でありながら、そのミュージシャン的才能がスゴイのだ!!

やはり助監時代も長く、B級映画で培われただけの事はあるな。

だから今こうした「アルチザン」は生まれないのである。

「日本でアクション映画なんて…」なんて思っている人こそ必見。

くたばれ、ハリウッド(苦笑)。


ところで、本作の仲代達矢は『機動警察パトレイバー』の後藤隊長のモデルだよね?(笑)


★★★★★


(2014.7.26 再編集)
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