スティーブン・スピルバーグ監督作品『ウエスト・サイド・ストーリー』を初日初回で鑑賞。
舞台はオリジナルと同じく50年代のままで基本は変わらないのだが、うまい具合に現代風にアップデートされた内容になっており、それに好感が持てた。しかし50年も前にこんな異人種感の恋愛やジェンダーの問題に切り込んでいたなんて、今思うととんでもなくとんがった映画だったんだなと。そりゃ戦争にも負けるわなw
そんな作品だからこそ今の若い世代の人たちにも見て触れてほしいというスピルバーグの思惑は間違っていなかったのかなと(本当は予算や時間があれば『アラビアのロレンス』のリメイクをしたいんだろうけどw)。
で、今回 スピルバーグ研究家(笑)の私かーやんが語っておきたいポイントは3点。
まずは僕がここで何度も語っている「スピルバーグ作品におけるノーマン・ロックウェル的な古き良きアメリカの世界観」が本作では全開に花開いているという点。この指摘をしている人は他に見聞きした事がないのだが、かーやんの主張は間違っていなかったとあらためて実感w そういう意味ではスティーブン・スピルバーグの総括的作品になっているとも言えよう。まぁ『E.T.』や『未知との遭遇』は超えていないけれど(苦笑)。
それともうひとつ語っておきたいのは『シンドラーのリスト』以降、スピルバーグの右腕として作品を支えてきたヤヌス・カミンスキー(撮影監督)の功績について。
ここ30年のスピルバーグ作品の質を底上げしてきたのはカミンスキーのおかげである事は否定のしようがないだろう。彼はダグラス・スローカムの代わりにインディ・ジョーンズまで撮らされた。自分のカラーを殺してまでもだ(苦笑)。それが今度は畑違いのミュージカルであるw カミンスキーも本来ならば他の監督と組んで撮りたいのだろうが、何せ早撮りで多作なスピルバーグと組んでしまうと もうそれに付きっきりになってしまい、それ以外の事は何も出来なくなってしまう。
本作のまるで往年のテクニカラーを彷彿とさせるような鮮やかな色調は必見。是非とも大きなスクリーンで観て頂きたい(それとできるだけ音響の良い劇場で。今回近所のシネコンで観たので音が物足りなかったのが残念だった)。
このコロナ禍の世で、スクリーンの中で歌い踊る映画を送る意味を噛みしめながら。
最後は…これはイーストウッドの『クライ・マッチョ』の時にも言いましたが、スピルバーグも75のおじいちゃんですから!!w やっぱ劇場で観られるうちに新作は映画館で観ておこうねっていうね。
それと数少ない今でもフィルムで撮影し続けている映画監督である事も忘れてはならない。
デジタルでの撮影・投射が当たり前となってしまった今となっては「映画とは何か」という定義が難しくなっている。今年のアカデミー賞もNetflix作品が多数ノミネートしていますしね。
それと自動車もEV化が進んでいる。本当にGR86やマツダロードスター990Sが良いと思うんだったら今から借金してでも買った方がいいよw 今後乗りたくても こんな車は作られないんだから。
そう思うと この『ウエスト・サイド・ストーリー』は映画120年の歴史の鎮魂歌に思えてならない。
★★★★☆
